ネット起業研究報告 1千万人が就職 (2)
▽柔軟、公平、波及、自治
同報告によると、ネット起業による就職の明らかな特徴として次の4点が挙げられる。一つ目は柔軟性だ。就職スタイルが柔軟で、弾力性が大きく、ハードルは低い。さらに起業コストは小さく、範囲は広く、都市・農村の相違による地域的な制限を受けない。二つ目は公平性だ。若年層、女性、障害者といった社会的弱者でも誰でも起業して就職することができる。三つ目は波及性だ。ネットショッピング、顧客サービス、アートエンジニアなどをめぐる雇用を生み出し、ソフトウエア、物流、決済などのネットビジネスサービス業の働き口を新たに作り出し、生産、加工、パッケージといったその他の産業の急速な発展をもたらした。四つ目は自治性だ。ネットのビジネスでは自ら決まりを設け、改善を行い、各種のビジネス連盟が自ら定めたネット上の規定とネット利用者の評価とが結びついたメカニズムがすでに確立されている。同報告が特に指摘したところによると、現在の中国社会は深刻なビジネス上の信用の危機を迎えており、ネット経済は発展の中で新しい社会の公共信用情報プラットフォームを建設した。淘宝網だけでも毎日1800万件以上の取引が行われており、いいかえれば、お互いに顔を知らない3800万人の人々が、互いを高く信頼し、契約によって保証された取引を結んでいるということだ。
▽ネット起業を制約する4つのハードル
同報告はネット起業による就職の成果を認めると同時に、直面する問題も指摘している。第一に、公平な起業環境の不足、統一されたネット起業規範の欠如、個別にみると偽物粗悪品を扱うところや虚偽の商売をするところがあり玉石混淆であることだ。第二に、認証手続きが煩瑣で、認証情報がスムースに伝わらないことだ。第三に、公的サービスが不足しており、社会保障システムとの全面的な連携がなされていないことだ。第四に、起業の技能が不足しており、現在のeコマースをめぐる教育・研修と実際のニーズとがかみ合っておらず、運営管理能力が全体として弱く、営業販売の普及推進力が全体的に低いことだ。第五に、総合的な支援政策による支援が不足しており、特に資金面、税金面での優遇、用地に関する支援が不足していることだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年2月5日