<企画>4Gサービス普及へ 道のりはまだ遠いか
【4Gとは?】
4Gとは第4世代の無線移動体通信(携帯電話、移動データ通信)技術の総称。3Gと無線LANを一体化させ、高精細度テレビ並みの高画質の映像および画像の転送を実現する技術で、ダウンロード速度は100Mbpsに達し、ダイヤルアップ接続と比べると2千倍に達する。アップロード速度は20Mbpsで、ワイヤレスサービスを利用するほぼ全ての利用者の需要を満たすことができる。
気になる料金はというと、4Gサービスの料金は固定ブロードバンドネットワークとほぼ同じ。より柔軟な課金方法が可能なため、ユーザーは必要に基づきサービスを選ぶことができる。このほか、4G設備はDSLモデムやケーブルモデムが設置されていないところに配備し、地域全体にカバー範囲を拡大することができる。
中国企業が主導となって開発した4G標準・TD-LTEは、2012年初旬に2つある4G国際標準の1つに定められたが、今回は3Gの時とはうって変わって大きな反響があった。12年11月の時点で世界59の通信キャリアが商用化計画に参加し、12のキャリアがすでに商用化を実現している。「追随する3G」から、「リードする4G」へ。中国のモバイル通信技術と産業チェーンはこの10年間で大きく進歩した。[記事全文]
【4Gの利点は?】
4G国際標準・TD-LTEの知的財産権を有する大唐電信集団の陳山枝副総裁は4Gの利点について、「4Gと3Gは、高速道路と一般道に例えられる。4Gの通信速度は3Gの10-100倍で、複数のプログラムの同時使用やHDビデオ通信が実現可能だ。また速度が向上したことで、これまでに帯域幅の制限で開発が中止されていたアプリなど、新たなアプリを推進することができる」と紹介する。さらにMIMO(マルチアンテナ)、分散型アンテナ、干渉調整・リソーススケジューリングといった技術を採用しているため、4Gはエネルギー消費量も低い。下げ幅は使用環境、ユーザー数、トラフィック負荷量によるという。[記事全文]
【4Gネットが応用へ】
■杭州地下鉄、4G網が全線をカバー 世界初
2012年11月、杭州市民が待ち望んだ杭州地下鉄が正式に開通し、試運転を開始した。杭州地下鉄はTD-LTEの4G網が全線をカバー。4G網が全線で利用できる地下鉄は世界初という。これまでの実地テストによると、杭州地下鉄では800Mバイトの映画(約2時間の作品)のダウンロードを、通常ならばならば2分余りで完了できる。[記事全文]
■杭州地下鉄 4Gネットでテレビ生中継を実現
中国中央テレビの記者は開通したばかりの地下鉄の車両内から、「皆さんこんにちは。私はワイヤレス技術により、走行中の地下鉄車両内から生中継を行っています。これはテレビの生中継としては初のことで、これまでは想像さえできないことでした。杭州地下鉄は世界に先駆け、4Gネットを敷設した地下鉄です」と生中継した。[記事全文]
■中国移動 4G通信の試験運用を開始
浙江移動(中国移動浙江公司)は、中国が開発した4G通信網「TD-LTE」の試験運用を、2013年2月2日より杭州・温州の2都市で開始した。中国で4G事業の大規模な試験運用が行われるのは、今回が初となった。浙江移動は初の試験運用都市である2都市において、個人・企業に対して4G事業を全面的に開放した。同社はまた、寧波で4G体験キャンペーンを実施した。3都市のTD-LTEユーザーは都市間で4Gローミング通信を楽しめる。[記事全文]
【4Gサービスの試行によって見つけた課題】
広州と温州で4Gサービス(TD-LTE)の試行が始まって以来、多くの消費者がネット接続スピードが大幅に高まったと語っている。しかし、試行は当初期待した成果が得られなかった。それはなぜだろうか。
(1)接続するには「高速ゲートウェイ」や「ポータブルWiFiルーター」をレンタルしなければならず、携帯電話などの端末製品が対応していないため、現在のところ納得できる結果が得られていない。
(2)4Gネットワークが本格的な民用段階に入った。しかし多くの市民は4Gネットワークについてあまり詳しくない。
これを受け、CCIDコンサルティング(賽迪顧問)・通信産業研究センターの耿厳副総経理は、「4Gの需要が形成されるまでには、認知される過程が必要だ」としている。[記事全文]
(編集JZ)
「人民網日本語版」2013年2月18日