産業グレードアップ研究報告が発表 国内初
国内の産業のグレードアップに関する報告書「2013年中国産業グレードアップ研究」が6日、海南省博鰲(ボアオ)で開催されたボアオ・アジアフォーラム2013年度年次総会で発表された。中国でこうした報告書が発表されたのは今回が初めてのケース。同報告書によると、産業構造がグレードアップすれば雇用機会が減少することは避けられず、中国は産業グレードアップと雇用の保障とのバランスという難問に直面しなければならないという。「経済日報」が伝えた。
雇用問題の解決は中国を長期にわたって悩ませてきた問題だ。現在の中国は2億人を超える農村の余剰労働力を抱えている。都市化プロセスの推進にともない、今後20年で3億人を超える農村の余剰労働力が都市に流入し、雇用のニーズが増加を続けるとみられる。だがこれと同時に産業のグレートアップによって、とりわけ労働集約型産業のモデル転換によって、雇用機会が減少することは必然的な流れだ。
こうした状況について、同報告書は次のような提案をうち出す。中国はサービス産業の発展を通じて産業構造のグレードアップが引き起こす雇用機会の減少を補うべきであり、また同時に資源分布の特徴と優位点に基づいて、適切な規模で労働集約型産業を継続させることも必要であり、特に中部・西部地区での継続が必要だ。
また同報告の指摘によると、巨大な国際競争の圧力、独自の知的財産権を備えた技術の不足なども中国の産業構造がグレードアップする上で避けられない課題だ。現在の中国は中核技術の50%以上を海外に頼っており、米国や日本の5%前後をはるかに上回る割合だ。これまでの低コスト競争における優位性が徐々に弱まっており、中国はイノベーション能力を強化して産業構造の最適化・グレードアップを推進し、新しいコア競争力を形成しなければならないという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年4月7日