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晴明(せいめい)神社 |
中国伝統の処世哲学では、人生は「苦境を乗り切ること」とされる。中国文化の影響を深く受けた日本にもこの考え方が深く根付いている。日本人は一生で多くの困難、はては災難に遭う年齢を「厄年」と称する。厄年には神社でお祓いを受けたり、厄除けの品を身につけたりする。厄除けの品や方法は多様で、独特の文化的風貌を育んだ。環球時報が伝えた。
一般的に「厄年」の理論の源は「黄帝内経」の「素問」「霊柩」などの節で、人の生命には避けがたい生理的節目と周期規律があると強調されており、年齢が、「苦境」が訪れるか否かをはかる重要な依拠となる。普通、一生で少なくとも3回の「厄年」に遭う。「厄年」とは何歳かというと、平安時代の日本の古書「色葉字類抄」には「人は13歳、25歳、37歳、49歳、61歳、73歳、85歳、97歳で大きな災難に遭いやすい」と記されている。「仏説灌頂菩薩経」には7歳、13歳、33歳、37歳、42歳、49歳、52歳、61歳、73歳、85歳、97歳、105歳との記述がある。現代の日本では一般的に、男性は25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳が「厄年」(「本厄」とも呼ばれる)に当たると考えられている。「本厄」の前年は「前厄」、翌年を「後厄」とし、総じて「厄三年」と称する。人は一生に少なくとも3度、このような時期を経る。男性は42歳、女性は33歳の「厄年」を「大厄」と称し、人生の中でもっとも不安定で、大きな災難が現われやすい年となる。日本各地の神社では毎年、「厄除け」ののぼりが掲げられ、その年に「厄年」をむかえる人々の年齢を記し、気をつけるよう呼びかけている。
なぜこれらの年齢が「厄年」なのか。日本にはさまざまな解釈があるが、ひとつは数字や語呂に関するものだ。より確かなものとしては医学的な解釈がある。女性は19歳で卵巣が成熟し、出産機能が完全に形成される。33歳、37歳は出産のリスクが高まる年齢で、体が不調になりやすい。過去の人々の寿命が比較的短かった頃、男性は42歳で「高齢」の門をくぐった。現代の42歳の男性は仕事が最も忙しく、プレッシャーが最大の年齢となる。日本人は、この年齢になると、たとえ大災がなくとも、体がひどく鈍化、老衰し、心臓や脳血管などの疾病にかかりやすいと考えている。よって「厄年」にはとりわけ健康への注意が必要で、過度な疲労は好ましくない。
「厄除け」とは、災厄の年齢に神社でお祓いを受け、祭礼に品を供え、特別な封に礼金を入れ神官に捧げることをいい、主に正月や誕生日に行う。この伝統は早くは平安時代に貴族の間で盛んに行われた。一般的に地元の神社に参拝するが、日本各地には「厄除け」にとりわけ御利益があるといわれる神社がある。「関東三大師」(佐野厄除大師、西新井大師、川崎大師)をまつる寺院のほか、京都の八坂神社、平安神宮、福岡の太宰府天満宮などだ。「厄年」を迎えた人々のお祓いで各地は賑わう。
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