中国の外貨準備高は3兆ドル 外資導入はまだ必要か?
最近、世論の一部で改革開放に対する疑問が湧いている。多様化する社会の考え方や社会と歴史の現状と今後を洞察するには、真剣に分析して、誤った思想が膨らんで大きくなることを抑える必要がある。人民日報が伝えた。(文:程万泉・新華社グローバル問題研究センター研究員)
筆者は何度も関係会議でこのような意見を聞いたことがある。「中国の外貨準備高は3兆ドルを超えた。購入した米国国債の年利はたった3%前後、外資企業が中国で回収している利益に遠く及ばない利率だ。つまり我々中国はもう外資導入の必要はなくなったのだ」。
この問題を分析にするには、経済学の常識が必要だ。一つは、資金と資本を区別する必要がある。資金は一般に貨幣を示し、資本には資金のほか、製品、技術、管理経験、ブランド、発展理念及び市場などが含まれる。改革開放で外資の導入が提案されたのには、主に外国の資本導入を指している。こうした資本の導入で、製品や技術だけでなく、市場ももたらしてきたのだ。
二つめに、中国の外貨準備金と財政収入の二つの資金性を区別しなければならない。財政収入は国家の税収を主な財源としており、その用途は非常に多岐にわたる。例えば、経済建設、インフラ建設、民生福利、国防、行政管理などの支出が含まれる。外貨準備金を形成しているのは、主に国家中央銀行が投入するその国の法定貨幣で、外貨を購入することで外貨準備金が形成される。中国はこの状況にあたる。つまり、中国の為替管理部門の貸借対照表には、一方に人民元の負債があり、もう一方にこれに相当する外貨資産がある。このような方式で形成された外貨準備金は、厳格にいえば負債だ。外貨資産の価値の維持、増加を保障することでしか、負債の支払いに充てることはできず、一般的には勝手に工場や企業を建設することはできない。政府の発行債務で外貨準備を形成している国があるが、財政債務に対応しているため、みだりに手を付けられない国がある。またノルウェーのように、ごく一部の外貨は、ノルウェーの中央銀行が石油税などの財政収入で外貨を購入し、毎月一回政府の養老基金に回して投資を行うが、その大部分の外貨準備金は主に為替市場への介入や貨幣政策の実施に使用される、という国もある。
そのため、中国が現有する外貨準備高をもって、開放に反対し外資導入に反対する意見は明らかに誤りだ。(編集EW)
「人民網日本語版」2013年9月5日
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