輸入商品の越境ECサイト、爆発的な成長の見通しも

　上海自由貿易区を拠点とし、輸入商品を主に取り扱う越境ECサイトの「跨境通」、「上海跨境ネット通販サイト」などが、このほど運営を開始した。専門家は、「越境ECサイトは中国EC業界の新たな領域を開拓する。これらのECサイトの台頭により、国内消費者の正規ルートを通じた輸入商品の購入が、数年後に爆発的な成長を見せる可能性がある」と語った。経済参考報が伝えた。

　◆越境ECサイトが激しい競争

　中国（上海）自由貿易試験区は、越境ECサービス機能の育成の加速を提案した。このほど上海自由貿易試験区に初入居したプロジェクトの一つ、上海唯一の国家越境貿易EC試行部門である「跨境通」が、ベータ版の運営を開始した。

　跨境通は、「当サイトは消費者に向け、活力あるスムーズかつ便利な越境通販サイトを構築する。当サイトが取り扱うEC事業者と商品は、いずれも関連する監督管理部門の認証と監督を受けたものだ。当サイトは現在ベータ版を運営しており、正式版は早ければ今月末に運営を開始する予定だ」と表明した。

　上海市宝山区人民政府と上海希遊網絡技術有限公司（中国初の輸入商品に特化した越境ECサイト「西遊列国」を運営）は、戦略提携合意書に署名した。双方は宝山区で輸入事業に特化した越境ECサイト「上海跨境ネット通販サイト」を構築する。上海市宝山区の夏雨副区長は、「プラットフォーム経済・サービス経済は、現在の伝統産業のモデルチェンジの過程において、重点的に注目されている方向だ。上海自由貿易区の発展の加速は、海外の中級・高級ブランドの中国市場進出に、新たなチャンスを提供する。現地の越境ECサイトとして、いかに海外ブランドと国内消費者の需要を満たすかが、一つの課題・試練となる。西遊列国との戦略提携は、越境ECサイトに対する支援と育成を強化するためだ」と表明した。

　中国電子商取引研究センターのアナリストである張周平氏は、「ECと世界貿易の発展に伴い、輸入商品のEC事業の形態にも大きな変化が生じている。規範化が徹底され、随時フォローされるという前提に基づき、跨境通のような越境ECサイトがこれから多く登場するだろう。自由貿易区はこれらのサイトに良好な政策環境を提供した。より多くの企業の参入により、業界は新たな発展のチャンスを迎える」と分析した。