4G営業許可証発行へ 変わるキャリア勢力図
ついに4Gの時代がやってきた。工業・情報化部(工業・情報化省)は4日、国内の電気通信キャリア3社に4Gの営業許可証を発行したことを明らかにした。これにより数カ月にわたって通信業界を混乱させてきた問題がついに片づくことになる。同部の計画によると、今回は中国移動、中国聯通、中国電信の三大キャリアが3Gの延長であるTD-LTEの許可証を取得。その次の規格であるLTE-FDDの許可証発行は、まだしばらく先のことだという。「京華時報」が伝えた。
▽キャリアの勢力図が書き換えられる
通信産業ウォッチャーの項立剛さんは、4Gがもたらす影響について次のように話す。4G営業許可証の発行は電気通信キャリアの勢力図に大きく影響する。中国移動は3G時代、TD-SCDMAネットワークの成熟が不十分で、メーカーの支援も弱かったため、経営難に苦しんでいだ。だが4Gの登場で、3G時代にみられたネットワークの受け入れ能力の不足という大きな問題は解決された。たくさんのユーザーが4Gに移行し、データ業務と通話業務の質が改善されることになる。4Gは中国移動にとってまさに長い日照りの後の慈雨だ。中国聯通と中国電信にとっては、4Gは必要なものだが、3G時代の優位を失ったことが最大の問題であり、これから競争の圧力が増大するとみられる。両社は今後、4Gへの投資と建設を拡大するが、資金などの圧力を受けて、建設ペースは中国移動よりも遅くなるとみられる。中国移動を制約してきた通信規格の違いという要因が基本的に消滅し、今後の政府の管理コントロールには新しい理念と新しい方法が必要だ。
▽ネット利用料金が値下がり
項さんによると、中国が4G営業許可証を発行したことは、電気通信設備メーカーにとってチャンスだといえる。特に国内の設備メーカーや携帯電話端末メーカーにとってはチャンスだ。また一般の消費者にとって、4Gは5つの大きな変化をもたらすものになる。その変化とは、▽ネットワークの速度が速くなる▽通話の質が改善する▽ネット利用料金がある程度値下がりする▽異なるネットワークで端末を利用できる可能性があり、端末購入時に通信規格を選択する必要がなくなる▽国際ローミングサービスをより便利に利用できるようになる、の5つだ。