廃棄物がエネルギーに 中国で関連技術が普及 (2)
◆廃棄油がバイオディーゼル油に
中国では食用油の生産と消費によって、大量の廃棄油が発生する。その資源総量は約1000万トンに達すると見積もられている。これらの食用できない廃棄油をいかに適切に処理するかは、これまで人々を困らせてきた難題だ。
清華大学科学工程系応用化学研究所の劉徳華所長は、「動植物油脂(下水から精製する地溝油を含む)を航空機用バイオディーゼル油にすることは難しくない。中国はこの分野の研究で、すでに大きな進展を実現している。しかし地溝油の回収価格は割高で、さらに加工コストがかさむため、航空機用バイオディーゼル油は一般的な化石燃料と比べ、競争力を持たない」と指摘する。地溝油で航空機を飛ばすことはできるが、コスト面から見れば経済的ではない。しかし地溝油などの廃棄油によるバイオディーゼル油の生産には、さまざまなメリットがある。
バイオディーゼル油の性質は一般的な化石燃料ディーゼルオイルに近く、また酸素含有量が多く、潤滑性が高く、使用の際の安全性が高いなどのメリットがある。ディーゼルオイル内燃機関を改造しなくても単独で使用でき、また化石燃料ディーゼルオイルの洗浄剤にすることが可能で、ディーゼル車、漁船、農業機械に幅広く活用できる。米国の研究によると、ディーゼルオイルに20%のバイオディーゼル油を添加すると、ディーゼルオイルをエンジン内で十分に燃焼させることができ、有害物質の排出量を50%削減できるという。