北京の大気汚染 エネルギー構造の調整が課題に
1週間に渡り北京を覆っていた煙霧が、2日になりようやく消えてなくなった。北京は久しぶりの晴天を迎えている。しかし過ぎ去ったばかりの過去1週間、北京の大気汚染は「基準超」となった。北京は今年に入ってから、「冬は風頼みで、夏は雨を待ち望む」という煙霧の泥沼から抜け出していない。北京・天津・河北省では1月に計5回の深刻な大気汚染が発生し、晴れの日は4日のみだった。新華社が伝えた。
北京はなぜ煙霧に覆われるという泥沼から抜け出せないのだろうか。
中国科学院大気物理所の王自発研究員は、「北京は大都市であり、3つの方角から山に囲まれた塵取り型の地形であるため、365日のうち4割の日は汚染物質が飛散しにくい」と指摘した。
北京の煙霧には、直径が2.5ミクロンを下回る大量のエアロゾル(微粒子)が含まれている(主に石炭の燃焼、自動車の排気ガス、市民の生活による排出物が中心)。例年とは異なる持続的な安定した天気と、高いエアロゾル濃度により、エアロゾルが蓄積・濃化しやすく、煙霧の持続性が高まっている。
気象条件が誘因だとするならば、人類の大量の汚染物排出こそが、煙霧頻発の根本的な原因だ。北京市環境保護局環境モニタリング所の劉賢妹所長は、「2012年の北京全体の汚染物排出量は、2011年の排出量+小・中都市1つ分の排出量に相当する」と説明した。
汚染と改善の「一進一退の戦い」は、北京で休むことなく続けられてきた。PM2.5の濃度引き下げを中心とする「首都大気品質防衛戦」は、今後の長期的な環境保護業務の重点になる可能性がある。
専門家は、「北京の『呼吸は天気頼み』という苦境を改善するためには、排出削減が必要だ。首都周辺地域の石炭燃焼および自動車排気ガスによる汚染の抑制から着手し、環境を優先する発展方針を貫き、国家エネルギー構造を調整するべきだ。地方の取り組みだけでは、根本的な改善は難しい」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年7月1日