嫦娥3号が間もなく月面着陸、5つの課題に直面
月探査機「嫦娥3号」は12月14日夜に月面軟着陸を実施する。これは嫦娥3号の最も困難な作業であり、任務の成敗のカギとなる。嫦娥3号は月から15キロ離れた地点から放物線を描くにようにして降下し、速度を毎秒1.7キロからゼロに落としていく。このすべての過程に、約12分の時間がかかる。
中国月探査プロジェクト総設計者の呉偉仁氏は、「打ち上げ・月接近に伴う制動・軌道変更と、月面降下を比べると、後者の方がより重要になる。これは我々にとって新しい、最も重要な試練だ」と指摘した。
◆課題1 虹の入江に着陸できるか
指定された「虹の入江」に正確に降下できるか否かは、嫦娥3号の軟着陸が初めに直面する難題だ。
これまで月周回衛星「嫦娥1号」と「嫦娥2号」が、月周回飛行の技術問題を解消していた。嫦娥3号は今回、月周回の成功後に、指定されたエリアに降下できるかが問題となる。
これは高速道路を自動車で走るようなもので、速度が遅ければ時間がかかり、速すぎればブレーキが間に合わなくなる。目的地を通り過ぎるか、衝突してしまえば、任務失敗だ。
ゆえに嫦娥3号の「ブレーキ」のタイミング、遠近の正確な把握が、今回の任務の技術的な課題・カギとなる。
◆課題2 最終的な着陸地点の選択
嫦娥3号の着陸地点は、比較的平坦な虹の入江が選ばれている。しかし月の地形の不確定性により、最終的な着陸地点の選択には、一定の難度が存在する。
呉氏は、「月面は全体的に見れば比較的平坦であるが、50×50メートル、10×10メートルといった狭い範囲の小さな環境において、地形がどのような状況であるかはっきり把握できない。また最終的にどこに着陸するかも不明だ。これは我々にとって大きな試練だ。さまざまな措置を講じてはいるが、高いリスクが存在する。月は岩とクレーターが多く、岩にぶつかることもあれば、クレーターにはまることもある」と説明した。
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