人民元の対米ドルレート基準値は6月9日に1ドル=6.1485元となり、前営業日より138ベーシスポイント上昇(0.22%上昇)し、20カ月ぶりの上昇率を示した。基準値も3月27日ぶりの高水準となった。経済参考報が伝えた。
基準値の上昇は、これで2営業日連続となった。某大手金融機関の取引担当者は取材に対して、「基準値の上昇は、中央銀行の安定維持の意図を示している」と指摘した。基準値にけん引され、人民元の対米ドル直物レートは、取引開始より1ドル=6.238元に上昇した。同日の同レートは1ドル=6.2352元から6.2418元の間で推移し、1ドル=6.2404元の終値をつけた。
交通銀行金融研究センターはこのほど発表した報告書の中で、「人民元レートは今年以来、段階的かつ持続的な低下を示していた。1月上旬から6月上旬の人民元対米ドルレート基準値は1.12%低下し、直物レートは3.55%低下した。人民元の実質実効為替レートも低下していた」と分析した。為替レートの低下は通常、時間とともに貿易収支が改善するJカーブ効果に半年遅れで影響を与える。為替レートの下落による輸出促進作用が、すでに現れ始めているように見える。しかし注意すべきは、貿易黒字が3月は77億ドル、4月は185億ドル、5月は359億ドルにそれぞれ達したことだ。5月の貿易黒字の規模は、2009年2月ぶりの水準に達した。貿易黒字の拡大が続けば、人民元レートに上昇の圧力がもたらされるため、低下を続けるという予想が弱まっている。
税関の統計データによると、中国の5月の輸出額は1954億7000万ドルに達し、増加率は前月の0.9%から7%に大幅に上昇した。外資系企業の関係者は記者に対して、「好調な輸出データの影響を受け、人民元レートが低下から上昇に転じた。今後の人民元レートの動向も、経済に左右されるだろう。人民元はこれまで低下を続けていたが、基準値は市場値を上回っていた。これは市場が過度に悲観視していたことを意味し、下半期に経済が安定化すれば、人民元は再び上昇軌道に乗るはずだ」と指摘した。ブルームバーグのデータによると、1カ月のオフショア人民元の予想変動率は8ベーシスポイント上昇し1.36%に達し、単日としては4月ぶりの上昇幅となった。同指標は、人民元の未来の動向を反映する。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月10日