12日にブラジルで開幕するFIFAワールドカップ。「ベスト8入りは当然で、目標は優勝」。自信に満ちた口調で、この目標を掲げるのは、アルゼンチンでなければ、イタリア、スペインでもなく、日本だ。新民晩報が報じた。
普通に考えれば、日本の実力は決して低くない。代表23人のうち、欧州のサッカークラブで活躍している選手が、過去最高の12人いる。ゴールキーパーから前線の選手まで、日本には全てのポジションに欧州で活躍する選手がいる。例えば、FWの香川真司、本田圭佑、DFの長友佑都、MFの長谷部誠、GKの川島永嗣などだ。
日本のサッカーはアジア1のレベルを誇る。長年、ブラジル式のサッカーを取り入れている日本のボールキープ力は世界一流といってもよいレベルで、試合中に見せるパスワークは圧巻だ。MFだった中田英寿に始まり、現在の香川真司や本田圭佑に至るまで、日本のミッドフィールドには常に世界レベルの選手がいる。イタリアのザッケローニ監督を招いていても、監督ばかりが目立つわけではなく、チーム全体の底上げにつながっている。
ただ、日本の短所は長所を同じほど明確だ。
日本は他の国と互角に戦うため、本田圭佑や香川真司のような世界レベルの選手を置いている。しかし、日本人の考え方が原因となり、圧倒的な決定力を持つストライカーがなかなか出てこない。そのため、ここぞというシーンや試合で、ゴールを決めたり勝利を収めたりすることができない。特に、1次リーグで日本が対戦する、身長が高く、屈強な選手が多いギリシャや、ヨーロッパと互角のディフェンス力を誇るコロンビアなどとぶつかると、本田や香川も本来の実力を発揮できない。
フォワードの決定力不足以外に、日本の決まり切った戦略も問題だ。
日本代表は、日本と韓国で共同開催された02年と10年の南アフリカ大会ではいずれもベスト16入りし、その成果は高く評価できる。02年のフィリップ・トルシエ監督や10年の岡田武史監督は、大会前の親善試合とは全く違うメンバーで臨む奇襲戦をしかけた。しかし、今回ザッケローニ監督が選んだ代表23人は、周囲の予測を覆すものではなかった。
ザッケローニ監督の固定されたメンバーや布陣、お決まりの攻撃パターン、意表を突くことができなかった情報戦に加え、落ち着いたやさしい眼差し、紳士的なイメージなど全ては、1次リーグ敗退した2006年のドイツ大会で日本を指揮していたジーコ監督を連想させる。それには、日本と初戦でぶつかるコートジボワールのサブリ・ラムーシ監督も、口元を緩めているに違いない。
日本のワールドカップでの成績は、理性的に予想する必要があるのかもしれない。英大手ブックメーカー「ウイリアム・ヒルズ」が発表するW杯優勝オッズで、日本は過去最低に近い151倍と、出場する32カ国中18位となっている。このようなオッズが出ているにもかかわらず、優勝すると一心に信じているなら、日本は大きな失望を経験することになりかねない。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年6月5日