海南「慰安婦」事件の被害者で、日本政府に対して裁判を起こした原告のひとり、ミャオ族の鄧玉民さんは19日午後4時10分、自宅で死去した。享年93歳。今年5月、体調を崩したため、保亭リー族ミャオ族自治県の病院に搬送され、治療を受けた。
第2次世界大戦中に旧日本軍の性暴力被害を受け、日本政府を相手に裁判を起こした海南省の元「慰安婦」、ミャオ族の鄧玉民さんが19日午後4時10分、自宅で死去した。享年93歳。中国新聞網が伝えた。
1男3女の子供を育てた鄧さんは生前、末娘の蔡桂蘭さんと一緒に暮らしていた。旧日本軍の「慰安婦」被害者である鄧さんは、最近ずっと体調を崩していた。蔡桂蘭さんによると、鄧さんは15日間ほど入院していたが、病状がやや良くなったことから、退院を希望したという。今月9日に退院して帰宅した当初は、粥を食べることができたが、16日ごろから、食べ物を一切食べられなくなった。
鄧玉民さんら海南に住む8人の元「慰安婦」は、2001年7月、東京地方裁判所(東京地裁)に提訴、日本政府に対して、彼女らの名誉を損ねたことを謝罪すると同時に名誉回復と損害賠償を求めた。東京地裁は2006年8月、第1審判決を下し、原告側の訴えを却下した。2009年3月、東京地裁による第2審判決が言い渡された。第2審判決も原告側の請求を退ける内容だったが、中国に侵略した旧日本軍が第2次世界大戦中、海南島で女性を誘拐、監禁して強姦した事実を認めた。
元慰安婦を支援するボランティア活動を長く続けてきた陳厚志さんによると、日本政府を相手に訴えを起こした海南の元慰安婦のうち、今も健在なのは、陵水県に住む2人になったという。
20日午後3時ごろ、家族は鄧玉民さんの遺体を出棺することにした。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年6月20日