南京大虐殺を記憶遺産に　ネットユーザーが賛同

外交部（外務省）の華春瑩報道官は10日の定例記者会見で、中国は南京大虐殺と日本軍の従軍慰安婦に関する貴重な歴史資料を国際連合教育科学文化機関（ユネスコ）の記憶遺産に登録申請したことを明らかにした。歴史をしっかりと記録し、平和を尊び、人類の尊厳を守り、同じような人道にもとり、人権を侵害し、人類に背く行為が二度と行われないようにすることが狙いだという。この情報が伝わると、中国国民はメールの転送やインターネットへの書き込みという形で、「歴史を忘れるな、申請を強く支援する」とのメッセージを次々に表明した。人民網が伝えた。

その後、日本が抗議し、撤回を要求したが、外交部は「日本の抗議は受け入れられない、申請の撤回はあり得ない」という断固たるコメントを発表。中国のネットユーザー達も同部の態度に賛同し、日本に歴史を正しく見据え、平和を大切にするよう呼びかけた。

ハンドルネーム「愛詩-」さんは、「強く支援します！誤りを正視できない人は失敗者、歴史の中で犯した罪を正視できない民族は許されることのない民族」、「中国側の今回の動きは拍手賞賛に値する動き。日本側の態度に、中国側は強硬措置を取るべき。日本が一日も早く歴史を正視することを願う」と書き込んだ。「ysqyblwy一世情縁別来無恙」さんは、歴史をしっかりと記録し、平和を尊び、日本の侵略者が中国で犯した人類に背く暴力行為を追及し、人権を守るとコメントした。「露露不是璐璐_」さんは、当時の歴史を認めない彼らは自分たちの歴史の教科書を書き換えることはできるが、真実は永遠に覆い隠すことはできないと述べた。

またネットユーザーの中には、この頃の歴史をしっかり記すことは中華民族に「強くあれ」と警鐘を鳴らすことだ、という見方を示す人もいる。「小丸子是小新媽媽」さんは、戦争には向き合うのがつらい痛みや苦しみがたくさんあるからこそ、よりしっかりと平和を守らなくてはならず、自分たちにとって最もよい方法に目を背けることが強くなることだなどと誰かにだまされるようなことがあってはならない。南京市の上空で毎年、警報を鳴らしているように、平和な時に危機を想定し、警鐘を鳴らし続けなければ、歴史の再演を防ぐことはできない、と述べた。「紫気東来69204」さんも、「今の日本政府はいまだに当時の罪や血であがなうべき債務に正しく向き合うことをせず、腹立たしい。中国人として、自分の国を愛し、国を強くし、国を振興させ、中国をより豊かで強い国にし、人々の暮らしをより幸せなものにしなければならない」と記した。

「秘CHAEL」さんによると、南京大虐殺と従軍慰安婦をユネスコ記憶遺産に登録申請することには、中国人にとって重大な意味があるだけでなく、朝鮮、韓国、東南アジアという過去につらく悲しい歴史をたどったこの地域の国々にとっても、重要な精神的遺産であり、正義の復活であり、尊厳の回復であり、今と将来に対する警告という意味があるという。（編集KS）

「人民網日本語版」2014年6月13日