楊絳 |
中国稀代のエッセイスト・楊絳(ヤン・シャン)さんが17日、103歳の誕生日を迎えた。楊さんは中国の著名な作家で、文学研究家の故・銭鐘書さんの妻。関係者によると、楊さんは毎年、誕生日が近くなると「雲隠れ」し、出版社などに「(誕生日の日に)家に来ないように」と告げて、盛大に祝うことを嫌うという。また、「名声や地位を求めることなく今まで、自由に生きてきた」と語っており、楊さんの才能と闊達さは多くの人に感動を与え、ネットユーザーからは祝福の声が次々に寄せられている。
盛り上がるのは周囲だけ 本人は取材拒否
楊さんの誕生日当日、人民日報や中国中央テレビ(CCTV)などのメディアが、微博(ウェイボー)のオフィシャルアカウントで、「103年という月日が過ぎたが、楊さんの才能は変わらぬままだ。落ち着きのない喧騒の時代である現代において、楊さんは今も、我々の慰めである」と、楊さんの赤子のように純粋な作風を称え、お祝いの言葉を送った。この投稿は1万回以上転送され、1千人以上のネットユーザーが誕生日を祝うメッセージを書き込んだ。
多くの著名な学者も、楊さんの誕生日を祝っている。北京大学の賀衛方・教授は「偉大」と称賛し、微博で、「時間は無情と言うが、楊さんを見ていると、時間が止まっているように思える。楊さんは、最も知恵に富むアーティストの1人。少しの言葉で、多くの意義を表現することに長けている」と称えた。
一方、周囲が盛り上がっているのとは対照的に、楊さんは一貫して控えめな態度を保っている。「楊絳全集」の出版社は取材に対して、「楊さん本人は、静かにしているのが好き。最近、関連のメディア報道が多く、楊さんも作品の編集長も取材は断っている」としている。
目立つことを嫌い誕生日には雲隠れ
法制晩報の報道によると、誕生日に騒がれるのを嫌い、楊さんは1週間前から入院している。体調を崩したわけではないという。楊さんの自宅で留守番をしている王さんは、「ここ数日、電話が鳴りやまないが、楊さんはメディアからであれば絶対に出ない。高齢で、耳も遠くなってきている。それに、多くの取材に応じる元気もない。過度の祝福や関心は逆に負担となる」と、取材を控えるよう訴えた。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年7月18日