メルケル独首相は7月6-8日にかけて7回目の訪中を行った。この訪中は、中独関係のさらなる発展を示すと同時に、新たなシグナルを発することとなった。両国は電気自動車(EV)分野での協力、EV充電プラグの統一を決定した。これに引き続き、中国は7月10日に米国と交渉し、EVの発展がその内容の一つとなった。証券日報が伝えた。
充電プラグの統一化はEV発展の鍵である。またドイツ、日本、米国の自動車メーカーにとって、中国が不可欠な市場であることは否定できない。EVを巡る協力は、中国政府の態度を示している。
中国社会科学院国際問題専門家の張国慶氏は取材に応じた際に、「メルケル首相の7回目の訪中により、欧州諸国(特にドイツ)との全面的な協力を強化していくという中国の意志が示された。中米関係もまた、世界で最も重要な関係の一つだ。両国には食い違いと衝突があるが、良好な協力関係を維持している」と指摘した。
◆中独、充電プラグを統一化
メルケル首相と中国工業・情報化部(省)の苗圩部長は7月8日、中独EV協力プロジェクトを共同発表した。これは中独EV充電プロジェクトの正式な始動を意味する。双方の合意内容によると、今後中国とドイツが生産するEV充電プラグの基準は、車の機能性と安全性を損ねないことを前提とし完全統一化される。
合意内容によると、中独のEVは最終的に、充電施設の完全な共有を実現する。
基準統一は簡単なことではない。中国電力企業連合会標準化センター副センター長、エネルギー業界EV充電施設標準委員会秘書長の劉永東秘書長は、「充電プラグの基準は単なるサイズの問題ではなく、その物理的な構造、材料・機械の特質、電気の安全の特質、充電回路、通信システムを含む一連の充電ソリューションプランに関わってくる。EVの充電回路、充電器、充電施設の調整により、充電の安全かつ信頼可能な統一化が実現できる。プラグを交換するだけでは、充電の安全性に不安が残される」と指摘した。
EVは中国自動車産業に「カーブでの追い越し(ガソリン自動車からEVへの転換期というカーブを活用して先進諸国を追い越す)」のチャンスを与える。中国メーカーはEVの開発に本腰を入れており、国も政策面から力強く支援している。便利でスムーズな充電の実現は、EV産業の発展の鍵だ。これらを背景とし、基準の統一が焦眉の急となっている。ゆえに中独の今回のプラグの協力には、重要な意義がある。