住宅・都市農村(省)政策研究センターの秦虹センター長は11日、第1回ビルディング経済フォーラムに出席した際、「米国と違い、日本とも違い、中国の不動産が今いる段階は調整期なのであり、(中国不動産市場は)崩壊しない」と述べた。「上海証券報」が伝えた。
秦氏は不動産研究の専門家として、中国不動産市場に対する結論を述べた。注目すべきは、結論の根拠となる一連の論拠と3組のデータについて詳しく述べた点だ。
秦氏によると、「中国は米国と異なり、あれほど大規模なバブル崩壊が出現する可能性は低い」という。
▽3組のデータ
秦氏が示した1組目のデータはこうだ。中国の不動産ローン政策は非常に厳格で、住宅の購入に際しての頭金の金額が中国は世界で最も多く、1軒目の購入では30%、2軒目の購入では60%が一般的だ。北京などの都市では2軒目での割合が70%にも達する。また中国の住宅の平均ローン期間は10年を下回る。「中国人は借金を嫌うからだ」という。
秦氏は、「2008年に米国の学術関係者をたずねた際、半年ほど米国に滞在し、ある老婦人の家を借りて住んでいた。そこで両隣の家が銀行ローンが返せなくなり、銀行に差し押さえられ、売り払われるのを目の当たりにした」との体験を語った。長年にわたり、米国の持ち家率は60%前後で、06年は63-65%だった。低金利に刺激されて、たくさんの人が家を買ったため、08年の持ち家率は69%になったという。
秦氏は、「当時の米国では、『家は基本的に高くない』という言い方がよくされていた。住宅の価格の増加率が購入時の価格をはるかに上回っていたためだ。次によく言われていたのは『ローンは基本的に費用がかからない』ということで、当時の米国はローン金利が非常に低く、頭金が少なく(5-10%が一般的)、頭金ゼロというケースもあったからだ」と指摘し、次のように説明した。緩やかな金融政策により、00年から06年にかけて米国の不動産価格は上昇の一途をたどった。だが続く07年は、食糧と石油を代表とする物価の上昇により、米国はインフレになり、その後2年連続で金利が引き上げられ、1%から5.5%へと急上昇した。こうして不動産ローンの金利も2倍に跳ね上がり、米国の多くの世帯がローンを負担できなくなり、住宅を銀行に差し押さえさせてローンから解放される道を選んだ。