3 各経済体の相互接続の青写真作成
呉副会長は、「今回のAPECでは、関連文書を通し、アジア・太平洋地域の各経済体全体をカバーし、太平洋東西両岸の全経済体のニーズにも対応し、ハードウエア、ソフトウェア、人と人との相互接続が可能な、今後長期にわたる発展に向けた青写真を作り上げる。相互接続とは、つまり、インフラの建設であり、経済成長のための重要な原動力でもあり、経済協力を促進するツールでもある」と述べた。
また、中国外交部(外務省)翻訳室の専門家である陳明明氏は、「相互接続とは、具体的には、高速鉄道・空港・埠頭・通信など各分野での相互接続を意味しており、中国政府が打ち出している『一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)』構想とも一致する」と指摘した。
4 顔を揃えるAPEC加盟経済体の各首脳
外交部翻訳室の陳氏は、以下の通り続けた。
今回、非公式首脳会議が開催されることは、中国にとって、近隣諸国との外交を展開する良い機会となる。ロシア、韓国、アセアン諸国との関係強化が期待できる。また、オバマ米大統領が中国を訪れ会議に出席することは、ホスト国としての中国の役割を評価しているだけではなく、中国の立場をも肯定している現れといえよう。
中日両国の首脳会談が開催されるか否かについては、決して楽観的な見方はできない。だが、日本の首脳が首脳会議に出席すれば、中日関係の改善にプラスとなることは確実で、各議題における中国の基本的立場に対する日本側の支持を表明することにもなる。中日首脳会談が行われるか否かに関係なく、日本は、自由貿易圏構築などの議題に賛成の立場を示すべきだ。ただ、日本は主導的役割を発揮することはできないだろう。アジアの経済効果推進という方面において、日本は中国に遠く及ばない。
5 中国テイスト豊かな歓迎レセプションや各首脳のファッション
APECの慣例により、全体会議は、会議、歓迎レセプション、文芸公演で構成される。ゲストに対するおもてなし、会場施設、首脳のドレスコードなどはいずれも、ホスト国の特徴が色濃く反映される。中国が中国テイストをどのように表現するのかが、大いに期待される。
ジャケット禁止・カジュアルウェア着用というドレスコードだけではなく、APECには、首脳会談が非常にカジュアルな方法で行われるという側面もある。会議における各国首脳の発言内容は、本人の同意を得ない限り公開されない。
非公式首脳会合での「集合写真」撮影も、APECの慣例のひとつである。首脳の立ち位置については、英語のアルファベット順や原語のアルファベット順などによって決まる。また、首脳の在任期間の長さで決まる場合もあるが、必ずホスト国首脳がセンターに立つ。「集合写真」では、通常、「右が上位」の原則にもとづいて、各首脳が並ぶ。つまり、ホスト国首脳がセンターに立ち、その右側には次回ホスト国の首脳が立ち、左側には前回ホスト国の首脳が立つ。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年11月5日