2014年11月3日  
 

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米国の煩悶を浮き彫りにしたアジアインフラ投資銀行

人民網日本語版 2014年11月03日13:34

 アジア21カ国の代表が先日北京でアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立計画の合意書に署名した。国際世論はどの国が署名したのかを注視するとともに、本来署名するはずでありながら署名しなかった国があることにも注意を払っている。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 韓国、オーストラリア、日本は署名式に姿を見せなかった。一方、ASEAN10カ国で欠席したのはインドネシアだけだった。米英日韓豪メディアの報道を見ると、米国は一部の国のAIIB参加を阻止するため、陰で、しかし少なからぬ働きかけをした。陰で小細工をしたことを米政府が公に認めることはないだろう。

 火のない所に煙は立たない。米側は表面上は「AIIB設立の考えに歓迎の意を表する」としているが、数々の兆候が示すように、実際には中国のイニシアティブとリーダーシップによるAIIB設立を甚だ面白く思っていない。米側はAIIBについて「ガバナンスや透明性の国際基準を満たすよう強く促す」と公言している。これは、AIIBはガバナンスと透明性の国際基準を満たしていないとする遠回しな発言だ。だがこれは米国がAIIBに反対する本当の理由ではないだろう。米側が真に懸念しているのは、AIIBが米国の追い求めているものを横取りし、世界銀行(WB)やアジア開発銀行(ADB)の地位を含む米国主導のアジア秩序に打撃を与えることだ。

 AIIB設立の主たる目的は、アジア太平洋地域におけるインフラ融資の大きな不足を補うことであり、WBやADBなど既存の国際制度と競争することでも、ましてや米国を閉め出すことでもない。「豊かになるには、まず道をつくる必要がある」。これは中国の庶民の経験に基づく言葉だ。アジアのインフラ改善は投資・貿易環境の改善、住民生活の向上、社会消費の増加を意味し、経済発展と社会の安定に寄与し、地域の統合に寄与する。これが米国を含む全ての国々にとってメリットがあるということを、まさか否定するのか?

 中国は発展の過程で数多くのノウハウ、資本、技術を蓄積した。とりわけ国土が広大で各地の状況が千差万別であることから、そのノウハウは様々な国に適用可能だ。AIIBの設立を提唱したことで、さらに多くの国際的責任を引き受け、アジア太平洋各国の互恵・ウィンウィンを実現するとの中国の意向がはっきりと示された。米側は「中国が責任あるステークホルダーとなり、国際社会にさらに多くの公共財を提供することを望む」と口を開けば言う一方で、AIIBの設立に反対の立場でいる。これはいささか偽善的と言わざるを得ない。


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