日本人の中国社会に対する理解は少ない。日本のメディアで報じられるのは、中国のマイナス面ばかりであり、情報量自体が多くない。日本の中国に対する印象は、90年代の自転車やバイクがぞろぞろと走っていたころのまま止まっている。
中国に出張に来た日本人は、ホテルの豪華さに驚く。3つ星ホテルでも4000円程度で泊まれ、無料のネット環境も完備されている。部屋は広くて快適。朝食の種類も豊富だ。日本では高級ホテルであっても非常に狭く、設備も古い。
日本人は中国人の話し声が大きいと感じる。討論しているだけなのに、口論しているのではないかと勘違いされることもある。電話でもそうだ。日本人は相手が怒っているのだと誤解してしまう。多くの日本人は、中国に来てから中国人の声が大きいことに驚くが、これは単なる習慣の違いである。また、中国人同士のやり取りは直接的であり、効率的だ。それは外国人と出会ったときも同じで、日本人のような婉曲な表現は好まない。
中国に出張に来たばかりの日本人にとって、中国料理は「油っこい」「しょっぱい」「からい」と感じる。量も日本の倍はある。日本料理はあっさりしていて量も少ない。日本では、子どものころから食べ物を残すことは失礼だと教えられるため、中国で食事をごちそうになるとき、食べきれないほどの料理がテーブルに並ぶことに戸惑う。
日本人の多くは酒が飲めるが、ほとんどがビールだ。焼酎や日本酒でもアルコール度数は知れている。中国の白酒(パイチュウ)を飲める人は少ない。日本には酒を勧める習慣がなく、普通は自分が飲める分だけ飲む。どんどん酒を勧めてくる中国式の宴会で、日本人は「断るのも気が引ける。でも、もう飲みたくない」という板挟みに陥る。
そして、日本人が最も理解に苦しむのは、ペットボトルに入った緑茶だ。なぜならその多くには砂糖が入っており、甘く味付けされているからだ。「甘いウーロン茶」もある。日本には緑茶、紅茶、麦茶、玄米茶、ウーロン茶など、種類が豊富にあるが、添加物は一切入っていない。日本人にとって「甘いお茶」は非常に奇妙に感じ、飲み下すのも難しい。ワインとスプライト、ウイスキーと甘い緑茶をまぜて飲むことも、日本人にとっては受け入れがたく、信じられないと感じるのだ。
レコードチャイナ 2014年9月19日