日米は11月8日から19日まで合同軍事演習「キーン・ソード」を実施した。「離島」が武力攻撃を受けたと想定し、両国合同軍の順調な行動を確保するとともに、島嶼防衛能力を強化する内容も含まれた。報道によると、離島奪還訓練は鹿児島奄美大島沖の無人島、江仁屋離島で実施された。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
今回の演習は沖縄県を避けて実施されたものの、依然として日本防衛省の「南西有事」に関する戦役想定によって展開され、内容は「離島奪還」、対潜、対機雷訓練が中心だった。
最近、中日両国は両国関係の取り扱いと改善について、4つの原則的共通認識にいたった。だが国際社会がアジア太平洋情勢の緊張緩和を等しく期待する中、日本の自衛隊は米軍と合同で「離島奪還」など敏感な内容を含む大規模な実戦演習を実施した。その動機と魂胆には疑問を呈さざるを得ない。近年自衛隊は単独または米軍と合同でいわゆる「離島奪還」を含む演習を多く実施しており、「離島奪還」を重点とする演習すら実施している。日米両軍はなぜ「離島奪還演習」にこれほど熱中するのか?
第1に、自衛隊がこうしたいわゆる「離島奪還」演習を実施するのは、泥棒が他人を泥棒呼ばわりし、悪人が先手を打って告訴する手口を弄する狙いがある。自衛隊が日本の離島が「奪取された」状況を想定し、指向性の極めて強い大規模な実戦演習を実施するのは、「レーダー照射」事件を作り出したのと同様、中国軍のイメージを悪くして、日本は「被害者」だと見せかけることで、釣魚島(日本名・尖閣諸島)や第2次大戦の侵略の歴史の問題で中国など隣国を挑発したことによって受けた圧力をそらし、軽減するとともに、「平和憲法」上の制約を打破し、攻撃兵器・戦力をはばかりなく発展させるための口実を作ることが根本的目的だ。
第2に、日本がこうしたいわゆる「離島奪還」演習に米軍を招待するのも、大きな旗を掲げて人を脅し、反中、中国抑止の度胸と力を強化するためだ。日米の「キーン・ソード」演習は当初、主に旧ソ連を念頭に置いていた。冷戦が終結すると地域衝突を念頭に置き始め、近年では日本と島嶼紛争を抱える中露など隣国を念頭に置き、日本防衛省はなおさらに「南西諸島の防衛強化」を重点とするようになった。だが、日本防衛省は自国の力のみでは思い通りにならないのを感じたため、日米軍事同盟の強化を理由に、米軍を悪事に引きずり込むようになった。