世界のスーパーコンピュータ(スパコン)の性能を評価する国際的なプロジェクトは17日、米国で最新の世界スパコンランキング「TOP500」を発表した。中国国防科技大学が開発した「天河2号」が、33.86ペタフロップスの浮動小数点演算性能で4連覇を果たした。新華網が伝えた。
米エネルギー省に所属するオークリッジ国立研究所の「タイタン」は、4連続で2位に甘んじた。その演算速度は17.59ペタフロップス。
3−5位も前回と同様で、米ローレンスリバモア国立研究所の「セコイア」、理研の「京」、米アルゴンヌ国立研究所の「ミラ」の順となった。
「TOP500」は半年ごとに最新版が発表される。今回と前回のトップ10のうち変化があったのは10位のみで、今回新たに入選した設置場所不明の米政府スパコン「クレイ」は、演算速度が3.57ペタフロップスに達した。
ランキング全体を見ると、米国のトップ500入りしたスパコンの数は、1年前の265台から半年前には233台に、さらに今回231台に減少したが、依然として優勢を維持している。入選数の2−6位は、中国、日本、イギリス、フランス、ドイツの順。
スパコンは国家の科学研究の重要な基礎的ツールであり、地質、気象、石油開発などの研究で重要な力を発揮する。また自動車、航空、化学工業、製薬などの業界の重要な研究ツールでもある。
「TOP500」は世界で設置されているスパコンの順位を示す最も有名なランキングで、1993年より演算速度の実測値を基準に毎年2回発表されている。
ランキング発表の前日、米エネルギー省は「CORALプロジェクト」を発表し、3億2500万ドルを投じて2台のスパコンを製造する計画を打ち出した。その演算速度は、天河2号の3−5倍に達する見通しだ。
米国メディアは、「これはスパコンのオリンピックだ。中国は演算速度が最も優れたスパコンを出しており、米国はこの王冠を奪還しなければならない」と報じた。
同ランキングの創設者、テネシー大学コンピュータ学部教授のジャック・ドンガラ氏は新華社の記者に対して、「国家スパコン広州センターに設置されている天河2号は非常に力強いシステムで、2017年までにこれと競争できる米スパコンは登場しない」と述べた。
ドンガラ氏は、「CORAL計画がランキングより先に発表されたことに、特別な意味はないはずだ。この2台のスパコンは、2018年にならなければ稼働を開始できない」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年11月18日