中国人民銀行(中央銀行)は27日、今月28日からターゲットを絞った預金準備率の引き下げと預金・貸出の基準金利の引き下げを同時に行うことを明らかにした。調整後、期間1年の預金・貸出基準金利は0.25ポイント引き下げられて2~4.85%となり、人民銀が2014年11月に金利と準備率の「一斉引き下げ」を行うようになって以来、4回目の金利引き下げとなり、3回目の準備率引き下げとなる。前回のダブル引き下げは08年12月12日だった。専門家は、「金利と準備率の一斉引き下げは、過去にそれほどしばしば行われたわけではない。今回は2つの大きな特徴があり、1つは準備率の引き下げはターゲットを絞って行われること、もう1つは金利の引き下げは広く行われることだ。この2つの特徴は実体経済の振興というはっきりとしたシグナルを示している」と分析する。
▽空前の取り組みぶり 政策の方向性は明らか
中国農業銀行の向松祚チーフエコノミストは、「この政策にはかつてないほど力が入っており、商業銀行に貸し出し構造の調整を促そうとする人民銀の政策的な意図と決意が反映されている。これと同時に、農業の成長の安定、農村の発展への支援、特に出稼ぎ労働者の帰郷・起業への支援にもプラスになる」と話す。
中国銀行国際金融研究所が発表した解説報告書によると、「『三農』(農村、農業、農民)や小規模・零細企業といった分野の基準金利引き下げについては、こうした分野への政策による支援を拡大するという方針を際だたせる。これと同時に、社会の資金調達コストの高止まりは、企業の生産経営にマイナスであり、安定成長にもマイナスなので、基準金利を引き下げることで社会全体のコストを誘導することを目指す」のだという。