「中国都市競争力報告書2015」の香港での発表会が18日に香港島・中環(セントラル)で行われた。それによると、2014年の総合経済競争力指数の上位4都市は、上から順に深セン、香港、上海、台北が並び、香港は深センに抜かれて13年ぶりに首位から転落した。持続可能な競争力指数では、香港は引き続き1位となり、以下、上海、北京、澳門(マカオ)が並んだ。
中国社会科学院都市・競争力研究センターの倪鵬飛センター長は、「香港が総合経済競争力で順位を落としたのは、『これまでの成果を守ることは十分にできるが、新しいことを始めるには力不足』という香港の都市発展局面がまったく変わっていないためだ。香港は貿易、金融、水上輸送、観光、専門的サービスの5大産業に重きを置きすぎ、規模が小さく新興の存在だが潜在力に富む多くの産業への注目が不足しており、長期的な視野でみれば新興産業・業態による支えや牽引を欠いている」と話す。
また倪センター長は、「香港は持続可能な競争力では全体としてトップに立ったが、『スマートシティ競争力』という項目が明らかな弱点になっている。研究開発投資が香港の生産額に占める割合はわずか0.8%で、深センの4%を大きく下回る」と強調した。
香港中文大学都市・地域発展研究センターの沈建法センター長は発表会の席で、「この報告書から香港と大陸部都市との差が徐々に縮まっていることがわかる。香港の未来については現在の安定の中で将来の危機に備え、大陸部との協力の過程でチャンスを見いだし、香港の『スーパーコネクター』の役割を発揮して、互恵・ウィンウィンを実現させなければならない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月19日