中国は過去10年間に不動産市場の開発を続け、多くの人々が新居へと身を移し、不動産市場の「黄金の10年間」と呼ばれる時代を経た。その開発規模も今では縮小を始め、業界では「白銀時代」に入ったとも指摘されており、市場は現有不動産を巡る商戦に移行している。人口増加率も減速を始め、高齢化問題が日増しに深刻になりつつある。第一財経日報が伝えた。
人口はやや減少しても、人口集中の問題は依然存在する。購買力と収入の高い人はますます都市での生活を好む傾向にあり、この先、「90後」(1990年代生まれ)や「00後」(2000年代生まれ)の不動産購入者が、その都市の主な消費の原動力となる。
業界では、就労機会を求めて学歴の高い人ほど経済の発達した場所を選ぶ傾向にあり、それに伴い、その都市での不動産を購入する人も増えてきているという声が多く聞かれる。螞蟻金服(ANT Financial)が全国の大学2325校の最近5年間の卒業生を対象に行った調査によると、過去5年間の卒業生のうち、卒業と同時に大学が位置する都市を離れた人の割合は59%に達した。しかし、大部分は省内での移動に留まり、省を跨いで移動した人の割合は31%だった。規模から見ると、全国各地域の大学生の吸収規模と大学の数とはほぼ一致しており、917校ある東部地域が全国の約57%の大学生を吸収していた。678校ある中部地域は全国の27%、482校の西部地域は残りの18%だった。ここから、東部の中心都市および地域が全国の約6割の潜在的に素養の高い人口を押さえているということが分かる。
中信建投証券(China Securities)は、人口の移動意向や人口自然増加率、大学教育の競争力、大学生の定着率、大学生の増加率といった要素は、都市の将来における不動産市場の盛衰の依拠するところとなり、「90後」の選択が大きな役割を果たすことは間違いないと指摘する。北京や上海、広州、深センといった沿岸部の一線都市は依然巨大な人口の吸収余地を備えており、経済の発展も迅速で、給与水準も高く、その魅力は非常に大きい。また、人口の教育水準の向上が、その地域の経済回復にさらなる貢献をもたらしてもいる。次に、広東、浙江、福建、江蘇といった地域は三大経済圏に属している、あるいは近接しているため、都市化が比較的進んでいるが依然発展の余地を有し、南京や杭州、広州、福州、蘇州、東莞、仏山、厦門(アモイ)といった都市も大きな持続可能な潜在的発展余地を備えている。さらに重慶や成都、合肥、南昌、鄭州、武漢、貴陽といった地域の中心都市もそうだ。
上海鏈家(Homelink)の陸騎麟・首席研究員は「現在一線二線の重点都市は依然相当規模の人口の吸収増加余地を有し、人口移動の趨勢も今後継続するため、一線二線の重点都市の不動産市場は依然潜在力を有する」と語った。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年10月29日