環太平洋経済連携協定(TPP)の内容が5日、加盟12カ国によって相次いで発表された。知的財産権に関する規定について、英国紙「フィナンシャル・タイムズ」は、「協定の内容のうち中国のハッカーの取り締まりに関わるデータの新規定は、加盟国に対し企業を攻撃するハッカーの行為を『刑事犯罪』とするよう求めており、貿易協定を借りて基準を確立するとともに、将来はこの基準を世界基準にしたいとの米国の意図がうかがえる」という。清華大学経済外交研究センターの何茂春センター長は同日、「知的財産権を備えた特許技術を盗み取るハッカーは中国でも罪になる。TPPの枠組の下で、米国が内部秩序の公平さを維持し、一方に偏ったり特定の国をターゲットにしたりしないことを願う」と述べた。「環球時報」が伝えた。
ニュージーランド外務貿易省は同日、他国に先駆けてTPPの内容を公表し、その後、米国のホワイトハウス(官邸)も協定の内容をインターネットで公開した。協定は全30章で(前言の付帯文書を除く)、主に国際貿易、投資、知的財産権の3つの部分から成り立つ。「フィナンシャル・タイムズ」の5日付報道によると、この協定は多くの製品(牛肉、乳製品から繊維製品まで)の貿易障壁を引き下げ、環境保護、投資をめぐる紛争、国有企業の行為について新たな基準を設定した。オバマ大統領をはじめとする米国の各レベル政府関係者は、「TPPはワシントン(米政府)が中国より先にグローバル経済ルールを確立すべく努力する上でのカギだ」と口をそろえる。またフランス通信社(AFP)は、「この文書はなお12カ国の国会での審議を通過する必要があり、減税・免税項目の多くは各国の国会で攻防戦を引き起こすことが予想される」と報じた。
知的財産権に関わる部分について、同協定の規定では、悪意ある、または商業的・金銭的目的で知的財産権を侵害したいかなる人に対しても、加盟国は刑事手続きと刑事罰の規定をうち出さなければならないとされる。「フィナンシャル・タイムズ」によると、ここには中国のネット上の侵害行為を取り締まり、新たな形式のデジタル保護主義を禁じようとする米国の決意が浮き彫りになっている。米国企業が受ける攻撃はますます増えており、こうした攻撃の大部分は商業上の秘密を盗み取ろうと機会をうかがう中国人ハッカーによるものだ。TPP協定にはデータの自由な流動、プライバシー、ネットワークの安全性を規範化する新ルールが含まれているという。