中国の習近平国家主席が今月米国を訪問することに、国際社会は強く注目している。現代世界において最も重要な二国間関係の1つである中米関係は、広がり、深さ、複雑さともにかつてないものとなっている。国交樹立から36年間で中米関係は尋常でない発展の道を歩んだが、一時一事の溝や摩擦によって主軸からそれることはなかった。経済・貿易関係は常に中米関係の推進装置だ。米中ビジネス協議会によると、米国は中国から良質で廉価な製品を大量に輸入することで、各家庭の可処分所得が年間1000ドル増加した。中国企業の直接投資は米国に8万人の雇用を創出した。(人民日報「鐘声」国際論評)
中米間の人的・文化交流は感銘すべき成果を挙げている。2014年に両国間の航空旅客は延べ613万人であり、平均して毎日1万7000人が両国の都市間を飛行していることになる。
最近の中米協力の大きな成果は、いずれも両国さらには世界各国に利益をもたらした。中米間のビザ発給要件緩和は、両国間の往来を円滑化した。両国の「情報技術協定」拡大交渉の合意は、今年7月に世界貿易機関(WTO)の同協定拡大交渉が重大な突破口を開く後押しとなり、世界で年間1兆3000億ドルの情報技術製品貿易の関税が免除されることになる。中米による「中米気候変動共同声明」発表は、世界の環境対策を先導する、世界各国の願いに沿うものだ。
現実において、中米関係には確かに「雑音」が少なからず生じてきた。例えば、ゼロサムゲームの思考で国際関係を見ることで、中国が戦略目標を拡大し続けるとの考えが生じた。だが中米関係発展の脈絡を整理すれば、、戦略、政治、経済的利益、価値観の溝という伝統的摩擦が起伏し、海洋をめぐる争い、サイバーセキュリティーなど新型の厄介な問題が数多く生じているが、歴史的視野、グローバルな視野から見ると、両国は共通利益が溝をはるかに上回り、関係を常に前向きに発展させ続けているうえ、多くのグローバルな問題で緊密な協力を保っていることが分かる。例えば2014年に中米双方はイランの核開発やシリアなど世界や地域の重大な問題、および気候変動やエボラ出血熱など世界的な試練において協力を展開し、誰の目にも明らかな成果を挙げた。
世界にとって中米協力は幸いであり、中米対立は禍だ。中米の新型の大国関係の構築は参考となる前例がなく、その過程は順風満帆とはいかず、具体的事業の調整と協力において辛抱強さと冷静で動揺しない力が必要だ。双方が非衝突、非対立、相互尊重、協力・ウィンウィンの本質に基づき、溝や衝突に直面した際に未来志向の冷静で動揺しない戦略を保持しさせすれば、中米関係は安定して大きく発展していく。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年9月14日