陳さんは、自分の仕事について、以下の通り説明した。
「40分間の検査では、やるべきことは多々ある。すべてのロープ、座板、工具、ヘルメットなどは、各自の状況に応じて念入りにチェックする。何はなくとも安全第一だ。2本のロープは、スパイダーマンにとって最も大切な仕事の相棒だ。うち一本は命綱で、『作業ロープ』とも呼ばれる。もう一本は安全ロープで、予備用のロープだ。この2本のロープいずれもが、『スパイダーマン』の命を支えている」
「毎日、200-300メートルの上空で仕事をするが、作業員は全員、冷静きわまる態度で臨む。高さ263メートルと359メートルにある展望台の外で仕事をする時には、多くの観光客が集まってくるのが良く見える。回転レストランの外側の作業では、フラッシュの光を感じるたびに、自分に対してカメラが向けられていることが分かる」
「我々の作業の心得は、第一に注意深くあること、次に慎重であることだ。高所での作業は、実際に危険きわまるため、『スパイダーマン』チームの作業員のうち、若者の数は年々減少している。私自身は、規定により42歳になるとこの仕事から引退しなければならない」
「スパイダーマンの制服を脱いだあと、何をしたいか」と陳さんに尋ねたところ、「引退後も引き続き、東方明珠塔の清掃作業に携わりたい。上海に高層ビル多しといえども、ここは上海の絶対的なランドマークだから」という答えが返ってきた。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年3月24日