中国疾病予防コントロールセンターの余宏傑氏が率いる研究チームが、18年間に渡る全世界の鳥インフルエンザ(H5N1)ヒト感染データを系統的に収集し分析した結果、1997−2015年の全世界のヒト感染の疫学的特徴が初めて明らかになった。また2014年11月からエジプトで感染が広がったケースの疫学的特徴、関連する危険要素の変化についても明らかになった。関連成果は医学雑誌「ランセット」(電子版)に掲載された。中国科学報が伝えた。
研究によると、鳥インフルエンザのヒト感染は主に、東アジア・東南アジア・北アフリカ諸国で発生しており、かつ2003−2008年に東アジアから東南アジア・西アジア・アフリカに拡散した。ヒト感染の世界の致死率は53.5%だが、地域によって差がある。世界的に見ると、感染の67.2%は12月から翌年3月に発生。感染例が最も多く報告されたのは2015年。感染者の平均年齢は19歳で、8割が35歳以下。しかしエジプトの死亡者の平均年齢は、東アジアと東南アジアを上回っている。
また研究によると、ヒト感染ウイルスのclade 1、2.1、2.3の致死率は、clade 0、2.2を上回る。2014年11月から2015年4月にかけて、エジプトのヒト感染者が増加したが、致死率、家禽との接触、発症から入院への時間などに大きな差はなかった。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年6月7日