タイ・バンコク市街地の路地裏に「チャンピオン」という名のちまき屋がひっそりと佇んでいる。過ぎたばかりの端午節(旧暦5月5日、今年は6月9日)には店内にいるチューチーマーさんはことさら忙しくしており、客の案内、注文受付と支払いのほか、店の場所がわからず電話をかけてくる客に道案内することが最も多い。
店舗は10平方メートルにも満たないが、端午節前後は毎日1万個近くのちまきを売上げ、客は2か月の予約待ちでようやく端午節前に粽が間に合うという状態で、他地域からはるばるやってくる客もいるほどだ。
ちまきの製作はチューチーマー家の女性のみに伝承されてきた技で、広東省潮州市から彼女の曾祖母が持ち込んできたものであり、現在4代目になる。タイのちまきは中国の潮州・汕頭(スワトウ)地域が由来で、潮州出身者の子孫として彼女は、「最も伝統的な手法でちまきを作るからこそこの技がうまく伝承されていくことができる」と考えている。
タイのちまきの餡に使う材料は多種多様だ。もち米のほか豚肉、塩漬け卵黄、栗、ナツメ、銀杏、キノコ、サトイモ、広東風のソーセージなど8種類の材料を使っている。このほか、米の製法も凝っており、エビ、蓮の実、ピーナッツに塩コショウ、醤油を合わせてもち米と一緒に炒めている。(編集JK)
「人民網日本語版」2016年6月17日