韓流文化の影響の拡大と地理的優位性から、韓国を留学先に選ぶ中国人学生がますます増えつつある。韓国政府も地方経済活性化の原動力として、中国人留学生に着目する動きがでている。韓国教育部(省)は先日、「Study Korea 2023」計画を始動、2023年までに留学生数を現在の2倍にあたる20万人にするとし、ソウル以外の地方大学で学ぶ中国人留学生に対しては、奨学金を出すなどして約3万人を地方都市に呼び込み、それによって地方経済を活性化させたい考えを発表した。
地方経済に貢献する中国人留学生
統計によると、中国は韓国の大学最大の留学生源となっており、中国人留学生が占める割合は全体の6割近くに上っている。文化、経済、先端技術といった分野が毎年多くの中国の若者を韓国へと引き付けている。
記者がソウル周辺の主要大学に足を踏み入れてみると、至る所で中国語の会話が耳に入った。今では韓国の主要大学周辺には中国語の看板が林立し、中華料理レストランから中国系スーパーまでが軒を連ね、近年では中国系のカラオケボックスやネットバー、ドリンクバー、漫画喫茶も登場し、中国の朝食を提供する店まで現れ、立派な中華街と化している。
首都ソウルで中国人留学生が大学生たちの暮らしを変えたとなれば、その影響は地方都市ではさらに顕著となる。ソウルから地下鉄で1時間ほど走れば、忠清南道牙山市(チュンチョンナムド・アサンシ)に入る。この地の住民である金さんの話によると、中国人留学生が訪れる前は、大学近辺は「意気消沈」し、地域経済も壊滅的な状態となっていた。しかし、中国人留学生がやってくると、まるで活性剤でも打たれたかのように地方経済はみるみる回復し、学生数が増えるに連れて、中国人学生ばかりか韓国人学生も学校周辺の店に戻ってくるようになったという。