2016年6月18日  
 

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人民網日本語版>>政治

<インタビュー>南中国海問題における米国の態度は矛盾している

人民網日本語版 2016年06月18日15:13

米テレビ番組「ワールド・ドキュメンタリー」のプロデューサーで作家のケン・メイヤーコード氏はこのほど取材に答え、南中国海問題における米国の態度は傲岸に見えるが、実際は矛盾していると述べた。

メイヤーコード氏は次のように述べた。

米国の最も偽善的な所は、「中国の行為は高慢で横柄」だとする一方で、米軍の駆逐艦を中国の永暑(英語名 ファイアリー・クロス)礁から12海里以内の領海に派遣するといったやり方で「抗議の意」を表している点だ。米国は、自国の西太平洋での活動は航行の自由を保護するためと標榜しているが、こうした行為は、実際には海上における正常な平和貿易を乱す行為と非難されるべきだ。

1982年に「海洋法に関する国際連合条約」が採択されて以来、中国を含む大多数の国家が締約した。米国はまだ加盟していない。かつて条約締約に強く反対していた米国の国会議員も、同条約に含まれる国際仲裁に関する条項が「米国の利益を損なう恐れがあった」と認めている。

また、条約は島に陸地と同等の地位を与え、島にも独自に領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚が認められることとしている。米国がこの規定を、自国の海洋権益拡大を制限するものと見なしたことは明らかだ。米国は「島」と「岩礁」の区分について自国なりの様々な理由をつけているが、中国が似たような理由を持ち出して領有権を主張した場合、米国はこれを認めない。

米国は1856年に太平洋の一部の領土を「グアノ島法」に基づき占拠した。これにより米国は太平洋に散らばるいくつかの無人の群島を領有した。19世紀後半から20世紀初頭にかけ、グアノ(海鳥の死骸・糞・エサの魚・卵の殻などが長期間堆積して化石化したもの)は農業用肥料の貴重な材料として、また火薬製造に必要な硝石の原料として使われた。米国は当時、島におけるグアノ採集に力を入れ、さらにこの機会を借りてこれらの島を占拠した。米国は今でもこれらの群島の大部分の地域を領有しているが、ハウランド島・ベーカー島・パルミラ環礁などはほとんどが岩石であり、かなり前から無人島となっている。これらの島の陸地面積を全て合わせても87平方キロメートルしかないが、排他的経済水域の総面積は155万平方キロメートルに達し、米国の東西海岸の排他的経済水域の合計面積に匹敵する。これは中国が主張する「争議がない排他的経済水域」よりもはるかに大きい。

米国のキャスリーン・ヒックス元国防副次官(政策担当)はこのほど、「中国が黄岩島(スカボロー礁)の領有権を主張することは理不尽である。なぜなら満潮時には、この島はほとんど海面下に沈んでしまうからだ」と語っていた。しかし、ハワイ諸島に位置し、米国がその領有権を主張するマロ環礁は、12海里の領海のほかに200キロの排他的経済水域を有するが、引き潮時ですら海面下に沈んでしまう。

ヒックス氏は、黄岩島の主権はフィリピンおよび中国との距離に基づき判断すべきだとの見方を示している。この理論に基づくと、確かにこの島はフィリピンからの距離のほうが近い。しかしヒックス氏は恐らくナヴァッサ島について知らないのだろう。この島は米国から約1000キロメートル離れているが米国領であり、米国が「グアノ島法」により占拠した。米国本土の海岸からは遠く離れており、カリブ海北部の国ハイチの海岸線近くにあるが、米国はその主権を主張しており、本土からの距離に基づき主権を手放す意図は全く無い。

同じく、米国は中国南中国海の九段線が中国大陸から遠すぎると不満を表明しているが、米国も主権を表明したが米国の本土からは遠く離れた国土について考えるべきだ。米国の海上の版図は中国と同じで、歴史的根拠を基に定められたものであり、島からの距離に基づき決められたものではない。中国と比べると、米国の海上の版図は中国よりもずっと本土から遠い所に描かれている。(編集SN)

「人民網日本語版」2016年6月18日

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