「本当に凄まじい大風だった。木の枝や屋根瓦を巻き込み、吹き飛ばし、屋内の壁に貼られたタイルが落下し始めた。教室のドアはすぐにでも飛んで行きそうだった」―楊先生は、竜巻が来た時の様子を話した。先生は、園児たちに机の下に身を隠すよう大声で命じた。この幼稚園では、これまでに繰り返し避難訓練を行っており、地震など身に危険が迫る状況が起こった場合は、園児たちはすぐさま机の下に隠れるよう訓練されていた。楊先生と周園長は、教室のドアのところに走っていき、荒れ狂う風によってドアが吹き飛ばされないよう、必死でドアを押して風に抵抗した。
「手の力だけでは無理だった。ドア全体がすぐにも飛んで行きそうだった」―楊先生はこれではいけないと感じ、身体全体でドアに寄りかかり、背中で持ちこたえようとした。少しでも力を抜くことはできなかった。万が一、荒れ狂う風がドアを壊して入って来たら、園児たちに危険が迫ることは明白だったからだ。先生たちは、背中・頭・胸を使ってドアを守ろうと必死だった。雹やレンガ石が飛んできて自分の身体に当たろうとお構いなしで、竜巻が過ぎ去るまで抵抗を止めることはなかった。
4分から5分の間、荒れ狂った風が園内のあらゆるものを吹き飛ばした。教室にいた園児たちは極めて大きなショックを受けたようだが、大きな怪我を負った子はいなかった。竜巻が過ぎ去ったことを確認したのち、元園長の郭海梅氏は室外で園児を並ばせて傷の具合をチェックするよう指示した。園児120人のうち、教室の中に飛んできた瓦の破片で7人が怪我をしていた。教諭6人が、程度の差はあるが負傷した。楊先生は、ひざ、肩、お腹などさまざまな部位に傷を負い、洋服や毛髪の中はガラス破片だらけ、生成りのTシャツには血と汗がうっすらと滲んでいた。幼稚園は緊急通報用電話番号に連絡し、負傷した園児が病院で手当てを受けられるよう依頼、付近の村民も現場に駆けつけ、負傷した園児を車で病院に搬送した。負傷した7人の園児のうち、5人は軽傷で、身体の状態はすでにほぼ問題ない。重傷を負った残る2人は、塩城市の病院に搬送され、治療を受けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年6月27日
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