「ファン」という語はアイドルの登場と共に出現し、中国でも長年使われて来た。そして、インターネットが急速に発展するにつれ、今ではアイドルの追っかけ以外の分野でも使われるようになっている。例えば、微博(ウェイボー)や微信(Wechat)の公式アカウント、ネットショップなどのフォロワーも、中国では「ファン」と呼ばれている。「ファン」の出現は、社会現象でなく、経済現象にもなっている。
インターネットショッピング・モール・天猫の「フォロワーカーニバル」を例にすると、フォロワーの平均購買力が、非フォロワーを約30%上回っている。また、各ブランドのオンラインマーケティングによる、コンバージョンレートは、フォロワーが非フォロワーの5倍になっている。
競泳女子100メートル背泳ぎの決勝進出を決めたレース後のインタビューで「力を出し尽くした」と話す傅園慧選手の動画やスクリーンショット画像がここ数日、微信のモーメンツを埋め尽くしている。そして、傅選手が決勝で銅メダルを獲得すると、その人気はさらにアップ。傅選手の微博アカウントのフォロワーは数十倍の400万人超えを記録し、プラスのエネルギーを与える新「ネットアイドル」となった。
オンラインショップ・淘宝網のショップオーナーらは、これをビジネスチャンスと見て素早く反応し、同サイトでは傅選手のSNSスタンプや傅選手と同じゴーグル、スイムキャップなどが登場した。また、傅選手のファンは、彼女をすぐにイメージキャラクターに採用するよう、各メーカーなどに「推薦」している。さらに、傅選手がイメージキャラクターとなった場合のチョコレートやスポーツドリンク、スポーツウェアなどの想定広告画像を自作してしまうファンもいる。これらファンらは、ファン経済意識が強く、アイドルとビジネスを結びつけようとしている。
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