国際化都市として発展し、その地位を固めている北京で暮らす外国人が増加している。その多くが、外国語の教師や企業の上級管理職、ビジネスマンなど。そんな中、他の外国人とは少し異なる仕事に就き、未来の国際大都市に異なる彩を加えている日本人がいる。(文:于壮。新華網が報じた)
「相声(中国式漫才)」を学び、その芸を披露する外国人は多いが、中国語を使ってトークショーを行う外国人はほとんどいない。日本人の近松貴子さんは、中国語でトークショーができる数少ない外国人の一人だ。
貴子さんは一見してすぐに日本人と思わせるようなタイプではない。第一印象はまるで普通の中国の大学生のように見える。綿のシャツを着た姿は清潔で知性ある雰囲気を漂わせている。しかし貴子さんが舞台に立つと、日本人のたくましさとこだわりの精神を感じることができる。
外国人がトークショーを行うにはいくつかの難関をクリアしなければならない。まずは言葉の壁。トークショーには決まったセリフなどなく、聴衆が聞いて全て理解できるように話さなければならない。貴子さんの中国語は外国人の中では特にずば抜けてうまいというわけではないが、ステージで話す際の言葉遣いや話すスピードをうまく把握している。聴衆全員にしっかりと聞いてもらうように心がけているので、一部の中国人パフォーマーよりも話す言葉は明瞭だ。
2つ目は文化の壁。トークショーでは一言で聴衆を笑わせる。なぜならその一言の裏には豊富な文化的背景を含ませており、聴衆は語り手が何を風刺しているのか、余計な解説を加えなくてもわかりあえるからだ。これは私たちがよく言うところの「笑いのツボ」だ。私たちが外国のコメディーを見て笑いのツボが理解できないように、外国人にとってもまた私たちの笑いのツボを理解するのは難しい。
「ときには苦労して考え付いた話をしても、全く反応がなかったこともありました」と貴子さんも笑いのツボを理解する難しさを痛いほど感じている。「ステージに上がるのはたった1分でも、その裏には10年もの積み重ねがある」と言われているように、貴子さんもステージ上で聴衆を爆笑させるネタを考え出すために、度重なる練習と血のにじむような努力を重ねたことだろう。
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