「ファン」という語はアイドルの登場と共に出現し、中国でも長年使われて来た。そして、インターネットが急速に発展するにつれ、今ではアイドルの追っかけ以外の分野でも使われるようになっている。例えば、微博(ウェイボー)や微信(Wechat)の公式アカウント、ネットショップなどのフォロワーも、中国では「ファン」と呼ばれている。「ファン」の出現は、社会現象でなく、経済現象にもなっている。
ファン経済とは、「実物+バーチャル」という消費体験のアップグレード版のことで、ファンたちは喜んで財布のひもを緩めて商品を買い、サービスにお金をかける。さらに重要なのはそれにより彼らの心理的欲求が満たされる点だ。
北京のある銀行で勤める劉子墨さんは最近、「猛人杜甫、一个小号的逆襲」とプリントされたTシャツを購入。「ついに手に入れた。すぐに来て自慢しないと」と話した。そのTシャツのデザインは何か特別優れているようには見えなかったが、劉さんは大のお気に入りのようで、「これは微信(Wechat)で大人気の伝記小説のタイトル。作者の六神磊磊のファンなので、これを着ていると、分かる人には私たちの気持ちが分かる」とした。
阿里巴巴(アリババ)集団の靖捷副総裁は、「ある意味、ファン経済とは、『実物+バーチャル』という消費体験のアップグレード版のこと」との見方を示す。
インターネットショッピング・モール・天猫のアクティブユーザー約4億人の消費ビッグデータを分析すると、消費の傾向が現在変化していることが分かる。低価格競争やパケット通信利益流量红利により成長してきたeコマース1.0時代はすでに終焉を迎え、品質を重視した消費を特徴とするeコマース2.0時代が現在も続いている。そして、「実物+バーチャル」という消費体験のアップグレード版のファン経済が、eコマース3.0時代の幕を開き、商品の実物消費は、娯楽や文化などのバーチャル消費へと広がり、新しい発展の動向を見せている。
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