これまで五輪で26個の金メダルを取って来た中国体操チームに一体何が起きたのだろう?
年表を見ても、中国の体操チームは現在、低空飛行となっており、成績が急激に落ちるのも決して不思議な状況ではない。北京五輪で金メダル9個を奪取し、ロンドン五輪でも4個を獲得。しかし、主力選手が次々に引退し、今回の主力10人のうち、五輪出場経験があるのは男子チームのリーダーである張成龍選手だけだった。
中国の体操チームは、本当の意味でのエースが不在だ。男子のエース・張選手と女性のエース・商春松選手は、楊威や劉▲(▲は王へんに旋)などのかつてのエースには遠く及ばず、日本の体操男子のエース・内村航平選手や女子団体と個人総合で金メダルを取った米国のシモーネ・バイルズ選手などのアイドル選手とも比較できない。
一方、日本の体操男子と米国の体操女子はともに最盛期を迎えている。また、ロシアの体操チームは資金援助を受けて台頭し、英国やドイツ、ウクライナ、オランダなどの欧州諸国は、特定の種目を強化する計画を実行し効果を上げている。
「悲劇」の影には注目されにくい原因もある。近年、女子の体操は力強く、美しい演技が高得点を得るようになっていると分析されている。中国の選手は、回転や両足を揃えたり、足の先をぴんと伸ばしたりする動作を得意としているものの、それらは既に「主流」ではなくなっている。中国の選手の平行棒の得意技である「腕支持振動技」は減点の対象にさえなっている。
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