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JICAボランティアには“シニア”もいます

人民網日本語版 2016年08月31日16:39
JICAボランティアには“シニア”もいます

 シニア海外ボランティアとして,中国北京の人民教育出版社(以下,人教社)で活動をしています。シニアは中国語では「年長」か「資深」でしょうか。日本語編集室で日本語教科書の作成・編集の手伝いをするのが私の仕事です。普段はデスクワークで教科書改訂の作業や教科書編集での日本語チェックなど日本人日本語教師として仕事をしています。もちろん日本語編集室の人たちは編集者ですが,日本語教育の専門家でもあります。ただ,日本語の母語話者ではないので,日本人の私がその点をサポートしているわけです。

 この7月末には,北京での「全国中等日本語教育教師研修会」が人教社で行われましたが,私も主催者側として参加しました。これは北京日本文化センター(国際交流基金)との共催です。中国全国の中学や高校で日本語の授業をしている先生方のための研修会です。毎回とても熱心な先生方が参加しています。研修会に参加する先生方は経験の少ない若手の先生も多いのですが,その分やる気と熱意を感じます。自身の教授能力を上げるという意欲はもちろん,中国の中等日本語教育のレベルを上げようという高い志も持っています。中国の日本語教育の未来は彼らが築くのです。日本や日本語に興味を持ってくれる生徒たちが楽しく勉強できるのも先生方のおかげです。私は,その後方支援の形で中国中等教育の発展に少しでも貢献できればと思って活動しています。

 中国の中等教育で日本語が教えられていることは日本ではあまり知られていません。もっともっと日本人にこの現状を知ってもらいたいですね。中国で広く日本語が学ばれていることは日本人としてもとてもうれしいことです。将来を担う若い人たちが,日本語を学ぶことを通して日本と中国の関係をさらに親密なものにしてくれます。お互いに学び合うことの大切さも私たちに教えてくれます。

 日本と中国の関係を思うとき,マスコミの情報に私たちが強く影響されているのを感じます。実際に交流することでどれだけ相互理解が深まるかを日本語教育を通して何とか伝えることができないだろうかと思います。高度な語学力をつけるだけでなく,人と人が言葉を交わすだけでも,目と目を合わせるだけでも心が通うということを忘れてはならないと思います。教室で日本語を教えるとき,言語だけでなく,そんなことも意識できたらいいなと思っています。語学教育も人と人との関係作りが基本です。そしてわたしたちの日本語の教科書が言語学習はもちろんのこと,日中の相互理解にも少しでも役立つことができるよう努力して教科書を作っています。

 中国には,ほかに若いJICAボランティアが各地で活躍しています。彼らはみなさんとの出会いを楽しみにしています。みなさんもぜひ彼らに出会ったら,声をかけてください。私もどこかであなたに声をかけます。その時は言葉が出なくても,ニコッとしてください。それだけでも心が暖かくなります。そこから交流が始まります。わたしの任期は残り半年と少しですが,シニア(海外ボランティア)も頑張ります。どこかでお会いしましょう。

 平成26年度シニア海外ボランティア 人民教育出版社 日本語専門家 若林和夫

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 「人民網日本語版」2016年8月31日


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