日本を去る飛行機で、私は窓側の席に座った。飛行機がもうすぐ離陸する時に、なにげなく外を見ると、空港係員4人が滑走路の脇に整列して、その中のリーダーと思われる係員の合図に合わせて、飛行機に向かって一生懸命手を振っていた。彼らに私が見えないことも、これは彼らの仕事の一環であることも分かっていたものの、それを見て、私も思わず手を振っていた。そして、2年前に成田空港で乗り換えをした時のことを思い出した。あの時、待合室に行くと、まだ朝早かったため、そこにはほとんど人がいなかった。それにもかかわらず、出社したばかりの航空会社の職員は、ほとんど人のいない椅子のほうに向かって礼儀正しく一礼してから仕事を始めていた。中国でも、昔は列車に乗ると、ゴチャゴチャしていたものの、列車が走りだすと、駅員が列車のドアの前に背筋を伸ばして立ち、ガラス越しに敬礼していた。それは礼儀であるため、駅員は誰かがそれを見ていることは気にしていなかった。現在は最新型の車両が採用されているものの、このような礼儀作法はなくなってしまった。実際、適切な礼儀作法は、気持ちを引き締めてくれるものだが、今の中国の社会には気持ちを引き締めてくれるものがどんどん少なくなってしまっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年9月1日
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