西洋には、「悪魔は細部に宿る」ということわざがある。この基準を東洋社会に当てはめて考えると、細部へのこだわりがあらゆるところに見られる日本はまさに「悪魔の国」そのものだ。日本人にとって、細部へのこだわりは、わざわざ取り上げられるほどではなく、当然のこととなっている。一方、中国人が日本へ行くと、突然「細部の海」へ落とされたかのような気分になり、そのおもてなしには、驚きと喜びを感じ、なにかこそばい気持ちにさえなる。(文:劉檸。在日華字紙・中文導報掲載)
最近、微信(WeChat)では、中国のある空港の作業員がベルトコンベアから流れてきた受託手荷物をどのように扱っているかを捉えた動画が話題になった。動画を見ると、二人の作業員が、荷物を運んでいるというよりは、まるで投げる練習をしているように取り扱っている。一方で、日本の空港の作業員の荷物の取り扱いには、その「細部」へのこだわりが反映されている。作業員は、荷物をそっと持ち上げて、そっと置くだけでなく、スーツケースをベルトコンベアに置く時には、旅行者が取りやすいように、全て取っ手を外に向けて置いている。また、誰も取らなかった荷物は、係員がべルトコンベアから降ろし、一つの場所に固めて置いている。さらに、ベルトコンベアの落差がある所や曲がり角にも係員がおり、スーツケースが落ちたりしてしまわないよう見守っている。万が一、スーツケースが破損してしまった場合は航空会社がそれをメーカーに送って修理してくれる。修理できない場合も購入した際のレシートがあれば、それに基づいて弁償してくれる。この類のことは、日本ではきわめて普通のことであり、いちいち驚く人は誰もいないが、中国人にとっては、日本に到着してまず感動することとなる。
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