近年、電子書籍が日に日に存在感を高め、出版物の形態が変化し続け、版権の取引もスピーディになっている中、世界中の従来の形態をとる出版業界は肩身が狭くなっており、紙の書籍などの市場は縮小を続け、生産額が減少し、収益も悪くなっている。しかし、そのような現状の中、日本の出版業界はその構造調整の加速、業態のグレードアップ、供給の効率向上などを進めている。日本の経験が中国の国情にぴったりとマッチするわけではないが、その幾つかの特徴は学ぶべき価値のあるもので、中国の出版業の供給側の構造改革を推進する助けになる。(文:宣海林 雑誌社「中国審判」の副編集長。経済日報掲載)
まず、日本の出版業界は入念に出版物の内容を考え、新たな分野の出版物を打ち出している。日本では少子高齢化が進み、本を読む人が激減し、従来の出版物市場が縮小し続けている中、出版社はそれに合わせて、新たな分野の開拓を模索しており、新たな分野の出版物を数多く打ち出している。そして、市場で好評を博している。例えば、新しいライフスタイルという分野では、オシャレなデザインの表紙、オリジナリティある内容、斬新な観点などを売りにした茶道や華道、健康関連の出版物が数々発売されており、非常にバラエティに富んでいるため、読者にとっては選択肢が豊富だ。また、日本の出版業界は、高齢者をターゲットにした出版物もたくさん刊行しており、高齢化という日本社会の特徴を掴んでいる。
次に、出版物のクオリティにこだわっており、外観や内容のクオリティが高い出版物が次々に刊行されている。デジタル・電子書籍が強烈な逆風となり、紙の出版物にとっては生き残りが難しい情勢となっている。そして、生産コストが上がり続ける中、出版物のクオリティを高め、各書籍を「アート作品」のようにするというのが、熾烈な競争が繰り広げられる日本で、出版業者が生き残るための必要手段となっている。東京国際ブックフェアで展示された日本の出版物は、どれも表紙のデザインや書籍の紙、印刷などのクオリティが非常に高く、とても印象深かった。
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