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中日友好の証である人民大学の39本の桜の木にまつわる物語 (2)

人民網日本語版 2017年04月18日09:14

上記の内容は、当時の同校留学生弁公室のある職員から聞いたものだ。私は連絡を受けて、当校の上層部が節雄さんと面会するのに付き添い、桜の木を植えるセレモニーにも参加した。

私はその知らせを聞き、すぐに家に帰って茂樹さんの「誤文分析」の授業の修了試験の答案用紙を探して見てみると、98点だった。学校の上層部が節雄さんと面会した際、私は両手でその答案用紙を渡した。すると、節雄さんも両手で丁寧にそれを受け取り、感激しながら「これは我が家の家宝です」と話した。

桜の木を植える時、節雄さんの両手には日本酒の一升瓶があり、桜の木を植えるために掘られた穴の周りに日本酒をまいていた。その時、節雄さんは非常にかたい表情で、目には涙があふれていたものの、一生懸命それをこぼさないよう我慢していた。私はその時、「茂樹さんは生前、日本酒が好きだったのだろう」と思った。

思いが伝わったのか、その末次さんの年齢を意味する39本の桜の花はその年に満開になった。中国紙「北京晩報」は「健やかに成長している桜の木」と題する私の寄稿を掲載してくれた。

93年から、末次さんが生前学んでいた「誤文分析」は、「文法の間違い分析」という名前に変わり、私は毎年一度はその授業のテストに、茂樹さんと39本の桜の木に関する問題を出題し、学生にその主な内容と感想を書いてもらっている。私が退職するまでこれをずっと続けていた。

学生から問題用紙を回収する時、いつもたくさんの学生が、「とてもいい問題」や「とても意義がある」と真剣な目つきで言ってくれ、感動させられた。感想の中で、茂樹さんの誠実さを絶賛する日本人留学生もいるし、「私は、自分の勉強や仕事、お金儲けのことしか考えておらず、茂樹さんのように勉強や仕事を国や民族の運命と結び付けて考えていなかった」と率直に書く日本人女子留学生もいた。

これまでずっと外国人に中国語を教えて来た中国人教師として、このような声を聞くと、温かい気持ちになり、心が和む。そして、自分が従事している「道理を伝え、学業を伝授し、疑問難題を解説する」という教師の仕事の意義について、一層深い理解を得ることができた。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年4月17日


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