広く知られているように、日本は世界最大の新聞王国だ。日本は小さな島国であるにもかかわらず、新聞の購読者は世界最多で、「読売新聞」や「朝日新聞」などの発行部数が世界一に立ったこともある。
しかし、今はインターネット時代で、「ネット、スマホが登場し、いつのまにか人々は紙の新聞ではなく画面でニュースを見るようになった。ニュースはどんどん転載され、時間に関係なく、人々の間を駆け巡る。もはや人々は情報を得るために朝の新聞を待つことはない」。「社長室の冬」のオープニングで流れるこの言葉は、伝統メディアの苦悩を見事に言い表している。
日本新聞協会の2016年の統計によると、00年から16年まで、日本の新聞の発行部数は右肩下がりとなっている。例えば、一般紙は、00年の4740万部から、16年には4000万部以下に減少している。「社長室の冬」では、「日本新報」は4年で発行部数が100万部減るなど、新聞大手の読売や朝日の現状を描いているかのようだ。
「日本のほとんどの新聞社は、時代の流れに乗り、電子化も進めているものの、対応が遅れており、新旧のメディア戦において劣勢に立たされている。新聞社は依然として『紙』が中心で、ニュースサイトの内容も紙と同じ。内容も、形式も新メディアの読者のニーズを考慮に入れておらず、紙の新聞の購読者にしか電子版を提供していない新聞社も多い」との指摘もある。
社長室の南康祐と青井が似たような議論をする。南康祐が、「ちゃんと現場に行って、命がけで正確な情報をとってきてるのは新聞記者。紙の新聞がなくなったら、人はいったいどの情報を信頼すればいいのか」と訴えるものの、青井の考えは全く異なり、「大事なのは、必死で取ってきた真実をいかに早く届けるかだ。いずれは、すべての新聞が紙からネットへ移行するんだ。ネットのスピードと拡散力には、もはや誰もかなわない。今や紙かネットかなんて関係ないんじゃないのか?紙の新聞だけが真実を伝えられるなんていうのは奢りだ!歴史にあぐらをかいた組織は必ず崩壊する」と熱弁する。
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