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第19回党大会で外国人翻訳家が注目を集めている理由は?

人民網日本語版 2017年10月25日16:37

中国政府は近年「反腐敗」を掲げ、「虎も一緒に叩き」と力を入れているが、その言葉をどのように英語に訳せばいいのだろう?その答えは、「take out tigers」だ。中国新聞社が報じた。

中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告を翻訳する際に翻訳者がチェックを重ねて決められた言葉が、海外で中国共産党の政策・方針を研究する権威ある文献でも使われるようになる。その翻訳版には英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、日本語、ドイツ語、アラビア語、ポルトガル語、ラオス語などがある。

中国は、「改革開放(1978年)実施以降、中国が外国の専門家にあらかじめ依頼し、党大会報告の翻訳業務をしてもらったのは初めて」とする公式コメントを出している。

翻訳家のほか、中国の政治関連の話を伝える通訳も、今回の党大会の新たな顔ぶれとなっている。例えば、新華社は史上初めて、外国籍のスタッフを党大会に派遣し、ネイティブスピーカーとして、世界に向けて中国について伝えている。

清華大学(北京)新聞・伝播学院の周慶安・副院長は、「外国籍の通訳が参加することで、世界に発信するための良い架け橋ができている。中国の政治に関する言葉を正しく理解できることを前提に、一層インターナショナルな表現方法で、中国の政治について伝えることができる」と評価する。

「このようなスタイルは、中国共産党の海外に向けた情報発信における新たな試み」だ。

これまで、中国では、海外に自国の情報を発信する際、「自国で翻訳・通訳し、海外に発表する」という段取りだったものの、今回は「自国で翻訳・通訳」する際に、新たに専門家の意見を取り入れるようになった。そうすることで、中国人と外国人では表現方法や理解の仕方が異なるという点を考慮に入れた。これは中国共産党が、自分たちの声を正確に世界に発信し、国際的影響力の向上を重視していることの表れだ。

過去と現在を比べると、中国の政治関係の言葉遣いには2つの明らかな変化が見られる。

まず、言語による表現の仕方が一層グローバル化している。

周副院長は、「党大会と全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)を含めて、意識的に中国の発展を国際環境に置いて表現しており、今回の党大会報告においては、『人類運命共同体』の重要ポイントを強調する上で、インターナショナルな思考パターンが際立っている。つまり、中国共産党の統治、中国の発展は、封鎖的ではなく、世界で参考にされる意義のあるもので、比較する視野を持って進行させることができる」と分析している。

この変化を見ると、中国の地位が世界において向上を続けているのを背景に、中国共産党の指導者は、世界が参考にする価値のあるスタイルで自身や自国の発展を見ている。

「一層グローバル化している背景には、中国共産党が歩む道と文化に対する自信を深めていることがある」と周副院長。

次に、言葉による表現方法が変化している。

党大会は、中国共産党の最高機関で、指導者らが集まり、マクロな視点で政治理念や国家統治をめぐる話し合いを行う場だ。

今回の党大会は、それらの理念をもっと分かりやすく説明し、世界や国内の人にもっと理解してもらおうとする試みがなされている。

今年初めて設置された「党代表通道」も全く新しい試みだ。

周副院長は、「これは中国共産党が、貴重な機会を通して、基層の声、第一線で働く人の声を海外にも発信しようとしていることの表れ」との見方を示している。

これまで、海外メディアと中国の基層の代表者が接触する機会はほとんどなく、基層の実践者が政治理念にどのような見方を抱いているのかを知ることは、ニュースなど以外ではほとんどなかった。

周副院長は、「今回の党大会で『党代表通道』が新設されたのは、『抽象的なものと具体的なもの』、『マクロとミクロ』、『中央指導部と基層』を融合させ、一層立体的、客観的、かつ正確に、中国の政治について海外の人々にも知ってもらいたいから」と分析し、「中国の政治は、言葉の点でたくさんの変革があるものの、中国の急速な発展、世界に中国について理解しもらうという目標と比べると、今後さらに改革を続け、向上させる余地がある」と指摘している。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年10月24日

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