——過去の失敗を教訓にし ストーリーのローカライズに力を入れる必要性
近年、中国の映画市場では、作品の面白さを求める声が日に日に高まり、それに加えて、中日文化交流が一層盛んになっているのを背景に、日本の人気小説や人気映画、ドラマの中国での映画化、リメイク版製作の権利が、中国の映画製作会社の間で人気になっている。
2016年、蘇有朋(アレックス・スー)監督がメガホンを握った「容疑者Xの献身」は東野圭吾の人気小説が原作だった。しかし、同作品が公開された際には、「原作の日本人の思考パターンと中国の文化には一定の差がある。だから、ストーリーにも不合理なところがある」とコメントを寄せるネットユーザーがいるなど、うまくローカライズできていないという声が上がった。
小説家・片山恭一の「世界の中心で愛を叫ぶ」の中国語版映画も、興行収入が伸びなかった。情報コミュニティサイト・豆瓣での評価は4.2ポイントにとどまり、ネットユーザーからは、「中国人製作チーム+韓国人の監督+日本のストーリー=中国人観客に理解できない」などというつっこみを入れている。
推理作家・島田荘司の小説を原作とする「夏、19歳の肖像」は、入院していた少年が、向かい側に住んでいる少女の異様な様子を目にし、好奇心から危険な道に足を踏み入れていくストーリーだ。この作品は、人気アイドル・黄子韜(ホアン・ズータオ)が出演していたにもかかわらず、興行収入は全く伸びず、結局1千万元(約1億7000万円)にも届かなかった。
中国映画家協会の秘書長を務める、中国映画評論学会の饒曙光・会長は、「どの国の小説を映画化するにしても、ストーリーがカギとなる。映画化する時には必ず、ストーリーをローカライズしなければならない。これは、映画を製作する際の世界共通の方法。ストーリーをローカライズしなければ、見る人は共感を覚えることができない」と指摘した。 (編集KN)
「人民網日本語版」2017年11月23日
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