国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が11月6日から17日にかけて開かれ、「パリ協定」の実施に関する詳細内容について検討を進めている。「パリ協定」は今世紀末までに化石燃料時代に終焉を告げ、風力や太陽光エネルギーなどのクリーンエネルギーへの転換を求めている。なかでも中国のリーダーシップには世界中が注目している。
▽気候政策のリーダー
ドイツの「ノイエス・ドイチュランド」紙は中国が今まさにエネルギーシステムを改造していると報じている。2017年だけで、中国の再生可能エネルギーの拡大は記録を再度更新しようとしており、1月から9月末までの間に、中国はすでに42GWの太陽光電池を取り付けたため、2017年の中国における再生可能エネルギーの規模はドイツ全体の規模に達した上、そのほかの現代エネルギー規模も拡大を続けているとした。
このほかに、中国は2030年までにクリーンエネルギーの割合を20%に高めることを目標としている。
また、中国が現在準備中の炭素排出権取引メカニズムも外国メディアが注目する焦点となっている。イギリス「フィナンシャル・タイムズ」紙は、中国はその全国範囲における炭素排出権の取引メカニズムの準備作業をほぼ完成し、その規模はEUのそれを超え、最大規模の炭素排出権取引市場となる見込みだと報道した。また、ドイツの「ノイエス・ドイチュランド」紙は、炭素排出取引を導入することは、世界エネルギー政策の転換点だと評価した。
スペインメディアは、中国はすでに気候変動に対応する世界的リーダーとモデルになっていると報道している。「BP世界エネルギー統計2017」によると、クリーンエネルギーの発展においては中国はすでに世界の先頭に立っており、クリーンエネルギーの主な生産国である米国を超え、再生可能エネルギー市場の40%のシェアを占めているという。また、中国は太陽光や風力による発電電力をそれぞれ世界の66%と50%を生産しているため、クリーンエネルギー生産におけるリーダーとなったといっても差し支えない。
▽新しいチャンスの提供者
中国の環境保護は世界に新しいチャンスをもたらすとみられている。
米国の時事評論家ファリド・ザカリヤ氏はこのほど発表した文章で、中国が電気自動車産業の発展に力を入れており、未来の交通産業と見なすこの分野の主導権を握ることを望んでいると指摘した。中国が2025年に販売を計画している新車のうち20%が新エネ車となっており、こうした政策は新しい雇用機会を創出することにもなり、中国で再生可能エネルギー産業に従事している作業員の数はすでに360万人にも達している。
「ブルームバーグ」は、中国が2015年に米国を抜いて世界最大の新エネ車市場となり、これには純電気自動車やプラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車が含まれていると報道している。
またこのほど、ブルームバーグは、中国政府が電気電動車生産許可の認可作業を再開することを検討中であると報道した。そうなれば、フォードやテスラ、中国本土の自動車メーカーが電気自動車を生産するための門戸が開かれることになる。
米国「ニューヨークタイムズ」紙は、中国は現在、世界で最も人気がある自動車市場であるため、大手自動車業界は次々とその主要な科学研究とデザイン作業を中国にシフトしていると報道している。
また、中国の環境改善の意思は、天然ガス輸入の基盤を固めている。ロシアメディアは、中国政府は2020年に天然ガスのエネルギー消費における割合を10%(2015年は5.9%)にまで高めることを確認し、10年後のそれを更に15%まで高める計画だと報道している。これは関連企業にとって、中国が大きな市場になることは疑う余地もない。
▽エネルギーモデル転換のリーダー
国際エネルギー庁の「世界エネルギー展望」の年度報告書は、中国がクリーンエネルギーの技術を極めて重視しており、その風力や太陽熱、原子力と電気自動車の分野で急速に世界のリーダーへと成長を遂げているとしている。
米国「ワシントンポスト」紙に最近掲載された「中国は未来を勝ち取る」という文章の中で、中国の経済と科学技術の次の段階での成長分野に焦点を当て、未来をつかもうとしていると分析した。また、国連が最近公開した情報で、昨年、中国の新エネルギー分野への投資は783億ドルに達し、同時に360万の雇用を創出したことが明らかになった。
「ニューヨークタイムズ」紙も、中国は将来、新しいエネルギー分野を主導するとの見方を示しており、「ワシントンポスト」紙は、エネルギーの安全に対する重視は中国の視野をさらに遠くにまで広げたと指摘している。関連報道によると、中国はまず新エネルギー分野を一つの重要な戦略的市場と見極め、すべての利用可能なエネルギーを配置し、そして着実に一歩一歩拡大の道を歩んでいるとし、太陽光エネルギーの発電能力を2倍に拡大し、エネルギー刺激措置を実施し、100ヶ所余りの石炭工場を閉鎖し、風力発電の優位を拡大するといった事業を進めている。
当然ながら、中国は挑戦することだらけということになる。「ニューヨークタイムズ」紙が指摘しているように、中国のグリーン作戦はまだ初期段階にある。ドイツの「ノイエス・ドイチュランド」紙も、エネルギーのモデル転換には必ずチャレンジが存在すると指摘している。しかし、クリーンエネルギーは大気の質を高めることができる上、その技術を世界範囲で販売することができ、雇用チャンスも創出できるというメリットから、多くの人に支持されている。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年11月21日
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