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JR西日本であわや大惨事 新幹線の検査制度を見直す時期か

人民網日本語版 2017年12月27日16:04

今月中旬、博多発東京行き新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかった問題で、JR西日本の来島達夫社長は記者会見で、「新幹線の安全性に対する信頼を裏切った」と謝罪した。また、石井啓一国土交通大臣は22日、「一歩間違えれば大事故につながりかねない重大な事案だ」と指摘し、新幹線車両の検査制度の修正検討が必要との見方を示した。人民日報が報じた。

12月11日午後、乗客約1000人を乗せた博多発東京行きの「のぞみ34号」は、最高速度300キロで走行し、乗務員が途中で焦げたような異臭と異音に気付いたものの、そのまま走行を約3時間続けた。その後の検査で、鋼鉄製の外枠の台車の亀裂が、側面17センチのうち14センチまで達しており、 繋がっている部分はわずか3センチという破断寸前であることが判明した。技術スタッフによると、破断していれば、脱線・転覆の大惨事の恐れがあった。多くの日本メディアは、「半世紀以上続く新幹線の安全神話を大きく揺るがす事態」との見方を示している。

日本の新幹線は、1964年に初の路線となる東京と大阪を結ぶ東海道新幹線が開業したのを皮切りに、他の路線も続々と開通した。新幹線は、日本の交通機関の大動脈であると同時に、日本のテクノロジーの水準、現代化の象徴でもある。半世紀以上にわたり、技術的トラブルが原因の新幹線事故は発生しておらず、日本政府は、「非常に高い安全性」を売りにして各国に新幹線をPRしている。

2001年に日本で運輸安全委員会が発足して以降、新幹線の脱線事故は3度起きているが、原因はいずれも地震だ。今回のトラブルは死傷事故ではないものの、一歩間違えれば大事故になっていたため、日本の人々は背筋を震わせた。今回トラブルが起きた車両は07年に製造され、今年2月には、車体と台車を切り離した上で部品を分解して点検する「全般検査」を実施し、検査済みの台車に取り換えられていた。また、トラブル前日の10日の目視点検では異常を確認できなかった。

日本メディアは、定期検査でも亀裂を発見できなかったということは、検査制度に問題があるということと指摘している。現時点で、外枠の台車に亀裂が起きた原因は分かっていない。「溶接の仕方に問題があったか、台車の設計に問題があり強度が不足しているのではないか」や「鋼材の質に問題があるのでは」という分析もある。

また、乗務員が異常に気付いていたにもかかわらず、走行を続けたことも、日本の人々の批判の的となっている。多くの人は、「新幹線の安全管理や運行制度に大きな手落ちがあるのではないか」と見ている。JR西日本の関係者によると、新幹線には、絶対に遅れてはいけないという、心理的プレッシャーがあるという。JR西日本の車両は比較的少なく、停止して検査するとなると、代わりの車両を手配するのが難しく、ダイヤが大きく乱れる可能性があるというのだ。

日本の一般の電車のトラブルも最近多発している。例えば、11月、東京の東急田園都市線で電気系統の不具合が起きた。12月16日には、横浜のJR京浜東北線で架線が断線し、22万人に影響を及ぼした。日本メディアに分析によると、このようなトラブルが起きる主な原因は、設備の老朽化と保守現場の技能の低下だ。日本の鉄道設備の多くが1970-80年代に設置されたもので、30年以上取り換えられていないため、トラブルが多発するようになっていると考えられる。また、日本大学特任教授・中村英夫氏は、「鉄道の技術は、経験工学的なものが多い。 先輩から教わり、仕事の見方や探り方を身につけていくことが必要。しかし、現在では、そこがなかなかうまくいかなくなっている」と指摘している。例えば、JR東日本では社員の4分の1が55歳以上で、40代の社員が極端に少なくなっており、いびつな年齢構成になっている。

ある匿名のメディア関係者は、「このような問題が起きている大きな原因として、日本の少子高齢化問題が日に日に深刻化していることが挙げられる。経験のある技術者が次々に退職し、若手の技術はまだ未熟。日本に元々あった生産管理のスタイルは維持できなくなっている」と指摘した。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年12月27日

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