また程チーフエコノミストの指摘によると、「安倍首相は自民党の総裁公選規程を改正して党内の地位を固めており、今後は任期中の注意力を経済から政治に向けるようになり、憲法改正や自衛隊の役割の拡大といったいわゆる『日本を普通の国にする』取り組みに乗り出す可能性がある。日本のナショナリズムの再燃に伴い、経済リスクがさらに転化して政治リスクになる可能性もある。外部環境についていえば、日本と中国、米国、ロシア、韓国などの国との相互の動きも日本経済の見通しに影響を与える可能性がある」という。
政策的空間の縮小に制約されて、日本の金融政策と財政政策の効果は以前ほど上がらないとみられる。18年には安倍首相の再任により、黒田東彦氏が引き続き日銀総裁の任に当たる可能性がある。現在、米連邦準備制度理事会(FRB)はバランスシートを縮小し、年内に再び利上げに踏み切る可能性が高い。欧州中央銀行も債券購入規模の縮小を明らかにし、日本の金融緩和政策はこれ以上力を入れることが難しい。黒田総裁はその任期中に2%のインフレ目標の達成時期を6回にわたって先送りし、国民と市場の間では中央銀行の約束や政策ツールに対する信頼が揺らぎ始めている。失われた過去20年間は日本国民の心理状態に深い影響を与え、「菊と刀」に象徴される文化の二面性の下、信頼感の再構築には長期的な努力が必要になる。そこで改めてインフレ観測を通じてポジティブフィードバックを果たしインフレ目標を達成したいと考えても、「アベノミクス」ならぬ「アベノ心理学」が力を発揮することは難しい。安倍首相の新経済活性化プランはまだ打ち出されていないが、その経済振興作用は19年に予定される消費税率引き上げの予測との間で相殺され、もはや重い負担に耐えることのできない政府の財政は新たな圧力を受け止められない可能性がある。
目立った内在的エネルギーの継続やすべての生産要素の生産効率向上がみられないうちは、日本経済はスタミナ不足が続くといえる。程チーフエコノミストによると、「私たちの予測では、日本の18年の経済成長率は約0.7%、インフレ率は約0.5%になる。日本の株式市場は上昇の余地がそれほどなく、さらに段階的な調整の圧力に直面する。国債の利回り曲線(イールドカーブ)は昨年9月から徐々にカーブがきつくなっており、しばらくはこの状態が続くとみられる。18年は朝鮮半島の危機、欧州の地政学的圧力の回帰、金融市場の内在的不安定リスクがリスク回避ムードの段階的な反発を招く可能性があるが、日本経済は引き続き内在的エネルギーを欠いており、FRBが引き締めを進めて強いドル観測が広がる中、円の長期的な弱まりが引き続き基調になる」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年1月11日
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