英ネイチャー誌(電子版)によると、アメリカ国立科学財団(NSF)は報告書の中で、中国が初めて米国を抜き科学出版物の数が世界最大の国になったと発表した。国内の専門家は、今回の首位獲得は早い時期から期待されていたことであり、驚きではないが、中国の科学研究の質がトップになるまではまださらなる努力が必要だと述べた。科技日報が伝えた。
同報告書は、米国は中国といった国々との競争が日増しに激しくなっているが、依然として科学技術強国であり、多くの高品質研究を発表し、多くの外国人学生を集めているとした。また科学を貴重な知的財産権に転化する面でも、高い能力を示していると評価している。
同報告書によると、中国は2016年に42万6000件以上の研究報告を発表し、世界最大級の抄録・引用文献データベースであるエルゼビアのScopusの全体の18.6%を占めた。米国は約40万9000件で、インドは日本を抜き、その他の発展途上国も順位を上げ続けている。
しかし論文の被引用回数を見ると、米国はスウェーデンとスイスを下回る3位となっており、EUは4位で、中国は5位となっている。
また米国は研究開発費で世界一をキープしており、2015年は約5000億ドルで世界全体の26%を占めた。中国は4000億ドルで猛追している。米国の成長が緩慢だが、中国は近年ハイペースで成長している。
NSFは隔年で科学工学指標(Science & Engineering Indicators)を刊行している。最新の分析報告書は、同指標の最新バージョンとなる。NSFは初めて統計・分析に、技術譲渡・革新を組み入れた。データによると、米国は特許や知的財産権収入、革新技術へのベンチャー投資などの面で、世界一をキープしている。
中山大学天文・宇宙科学研究院の李◆院長(◆は品の口が水)は科技日報のインタビューに応じた際に、「中国の出版物の数は世界一だが、科学研究の質でトップに立つのが遅れている。米国が約1世紀前に経済規模で世界一になったが、科学技術で欧州を抜くのが戦後まで遅れていたように、中国も同じような成長の道を歩むことになる」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年1月22日
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