男女にかからず「乙女心」がある
2017年、中国では「女性経済(社会で女性が独立することにより女性の消費が盛んになっている状態)」が急成長し、各企業・ブランドが「乙女」をくすぐる商品やサービスを続々と打ち出した。例えば、携帯メーカー「美図(meitu)」は美少女戦士セーラームーンとコラボしたスマートフォン「M8」を台数限定で販売し、歯磨き粉を生産する「Colgate」は「ハート」入りのかわいい歯磨き粉を打ち出した。各企業は女性の心を射止める方法を会得し始めているようで、Colgateの歯磨き粉も透明の歯磨き粉にピンクの小さなハートが入っているだけで、特別な薬効などがあるわけではないものの、そのかわいさが人気となり、大ヒット商品となった。淘宝の公式ショップに寄せられている2万7000件のコメントで、最も多く使われている言葉が「乙女心」だ。
各企業・ブランドが「乙女」がそこまでして「乙女心」に注目する理由は、その背後に巨大な女性市場と女性たちの旺盛な購買意欲があるからだ。17年末、第一財経商業データセンター(CBNData)と通販サイト・天猫が共同で発表した「17年度輸入消費統計報告」によると、13-17年、天猫のぜいたく品市場において、90後(1990年代生まれ)が安定した成長、95後(95-99年生まれ)が急速な成長を見せた。今では、中国の越境輸入小売りのアクティブユーザーのうち、90後と95後の占める割合が50%となっており、スキンケア商品の購入が最も多いグループだ。
90後は出生率がこれまでで最も低い世代であると同時に、一人当たりの国内総生産(GDP)が異例の成長を続けるという特殊な時代に育った世代で、物質的には非常に豊かであるにもかかわらず、孤独感を感じている。そして、インターネットがこの世代の若者に十分すぎる選択肢と可能性を与えている。消費が高度化するにつれ、それらの若者たちは真新しいものを好み、「顔面偏差値」の高いものにお金を使うことを惜しまない。また、個性的なものを好み、自分を大切にする。
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